CINEMA STUDIO28

2016-09-13

言の葉の庭



何にでも慣れるもので、ラインナップの中から選びクリックひとつで映画を観ることにも慣れた。お試し登録中のNetflixに新海誠監督の「言の葉の庭」があったので観る。この間「秒速5センチメートル」を観た後、新海映画は当分いいや…と思ったのだけれど。時間が短いので気軽に観てみよう、という気になって。


連続していく人生の時間のうち、エアーポケットにはまったように足踏みする短い刹那、不意に出会った男女の物語。年の差はあるものの対等に与え合い、離れて、またそれぞれの時間を一人で生きていく。新宿御苑の日本庭園にある東屋が何度も登場。新海映画は実在の場所があれこれ登場し、実写と見紛う質感ながら、やっぱり絵だから現実の美しさを強調した美しさがあり、自分が勝手に思い出を埋め込んで美化した、記憶の中の風景と酷似して、実写以上のノスタルジーを喚起する。



かつて新宿に住んでいた頃、伊勢丹の正面玄関前で友達と待ち合わせ、伊勢丹地下で美味しいものを買い、御苑でピクニックしたなあ。だいたい芝生あたりでゴロゴロするのだけど、閉園間近になると欲が出て御苑を隅々まで徘徊し、日本庭園のあの東屋に座って池を眺め、生半可な公園ではなくここは御苑、やんごとなき場所なのだから日本の庭園技術の粋が結集した場であるはずなのに、不思議と漂う外国人が妄想で作ったちょっと行き過ぎた日本っぽさ(俗称:キルビル感)があるのは何故だろうね…など話したことも、映画の隙間に漂う微粒子が一気に思い出させた。





小ぢんまりとした設定のせいか、これまで観た「君の名は。」「秒速5センチメートル」より「言の葉の庭」は観やすく、あっけなく終わってしまった短編小説の行間を繰り返し眺めるような気分を味わっている。音楽も映画を乗っ取ることはなかった。これから雨の季節に何度も観るだろう。


http://www.kotonohanoniwa.jp/


目黒シネマで3本立てで観られるとのこと。いいなあ。さすがに混んでるみたい。


http://www.okura-movie.co.jp/meguro_cinema/now_showing.html