CINEMA STUDIO28

2013-04-04

Moonrise Kingdom

 
3月のこと。ウェス・アンダーソン「ムーンライズ・キングダム」を観る。
 
 
これまでアメリカの若手お洒落映画カテゴリーに放り込み、カテゴリーごと苦手意識があったけど(苦手意識の根元はおそらくソフィア・コッポラの映画が軒並みつまらないから・・)、同じカテゴリーに放り込んでたマイク・ミルズ「人生はビギナース」が意外にもとても良くて(良かった理由は監督でも評価の高かったゲイのお父さん役の人でもなく、主演の2人がもともととても好きな俳優だからだと思うのだけど)、お洒落な匂いがするからってまるごと嫌ってたらアカン!そんな姿勢じゃ観るべき映画を見逃す!と自分に言い聞かせる昨今、ウェス・アンダーソンは「ロイヤル・テネンバウムス」を観た当時いまひとつピンとこず、長らくチェックしてなかったけど、何度か映画館で観た予告編の可愛さにつられ、いそいそと日比谷シャンテへ。
 
 
開始10分で今までの苦手意識を撤回。60年代の写真集が奥行きをもって目の前で動いてるみたい。インテリアのすみずみまで、ビル・マーレイのゆったりしたおうちパンツの丈や皺のまでも完璧な計算。画面に見とれてるうち物語を追うのを忘れそうになって慌てた。女優に着せる洋服のセンスが良い映画監督は信頼できる。という自分内基準があるのだけど、女優の洋服どころの騒ぎではない。
 
 
 
 
ビル・マーレイの身長と天井の高さ、照明の位置まで狙いすましたみたいに完璧・・
 
 
 
この本棚! の上の胸像!表紙の色の配置!
 
 
 
 
少年の後ろのラックにかかった洋服の並びのバランス!
 
 
 
 

気をとりなおして物語を追うと、世にもかわいいボーイ・ミーツ・ガールもの。幼いふたりの駆け落ちの物語。はみ出し者みたいな少年だけど、マメに少女に手紙を送り、駆け落ちの待ち合わせには花束を持って登場、ボーイスカウトで鍛えた生存スキルで少女の衣食住をこまごまと世話をし、要所要所で愛の言葉をきっちり伝える。不思議ちゃんかと思えば、恋の成就のためのセオリーを抜け目なくおさえた全うな男っぷり。海辺で釣り針にコガネムシをつけたピアスをプレゼントするシーンが一番好き。この映画で一番エロティックなシーン。

 
 
 
 
絶対好きなはず!と友達に薦め、物語説明係として登場するキュートなニットキャップのおじいちゃんを気に入るんじゃないかなーって内心思ってたら、案の定、あのおじいちゃんが良かった!と。案の定すぎる。
 
 
しかしこの映画を好きな理由の大半が「完璧な美意識」だとしたら、どうしてソフィア・コッポラ映画は好きになれないのだろう。映画として退屈だから?「ムーンライズ・キングダム」は退屈ではなかった。と、その理由を考えるべく、食わず嫌いを反省したから、おとなしくウェス・アンダーソンのフィルモグラフィーを追うよ・・。