CINEMA STUDIO28

2015-06-01

4月の終わりの京都 / 京都みなみ会館






立誠シネマで映画を観た後、晩御飯を食べて一息つき、夜のバスで京都駅へ。京都駅から東寺まで1駅、近鉄に乗ろうかな、と思ったけど、時間に余裕があったので歩いた。途中、神社のようなところの舞台で舞が披露されているのを横目で見る。地図で確認してみると、伏見稲荷大社御旅所というところだった。



何年ぶり?10年以上ぶり?に東寺駅の改札前を通り、あまり変化がない印象だったので、わぁわぁ!東寺!と心が泡立って、なんでもない改札にカメラを向けかけたのだけど、乗降客がそれなりにいたので自粛。さすがに時間は経過しているもので、駅周辺は激変していた。もっとごちゃごちゃしていた記憶があるのだけど、すっきりつるんとしていた。



到着!みなみ会館。レイトショーを観に来た。










サイトなどで確認して、みなみ会館、ずいぶん小奇麗になったのね・・と思っていたのだけど、1階のパチンコ屋は閉店していた。パチンコ屋の2階にある映画館なので、上映中、遠くにパチンコのがやがやした音が少し響いていたのだ。集中力が切れそうな時は、それに苛立ったりもしていたのだけど。







かつての自分が何回、上がって下りたかわからない、懐かしい階段を上がると、「恐怖分子」の場面を再現したスペースがあった。左に「あおいでね」の文字があり、はたはたあおぐと、あの場面を再現できる。映画愛!







チケットカウンターの位置などロビーは変化があったけど、大枠は変わっておらず、上映ホール、トイレの位置など当たり前だけどそのままだった。上映前にトイレに行くことにして、無意識にすっと右に曲がってすたすた歩いてく自分に驚いた。長らくここに来てなかったけど、身体はこの場所の感覚を覚えていた。トイレ前にあるソファは、革張りのべこべこの年季が入ったものだったのが、さすがに新しくなっていた。









フレームに入れられて床に置かれたポスター、エドワード・ヤンのサインがある。「カップルズ」は、この場所で観た。フランス映画「憎しみ」と2本立てだったと思う。私がその前に「恋愛時代」を観ていて、エドワード・ヤンの名前を覚えたので、友達と何か映画を観に行こう、という話になり、あの監督の新作が・・って誘ったんじゃないかな。友達はあまり映画を観る人じゃなかったけど、「憎しみ」は憎しみ具合に圧倒され何も言えず、でも「カップルズ」はとても良かったね。という話をした遠い記憶。「恋愛時代」のサインの日付は、1994年の京都で開催れた東京国際映画祭で監督が来日された時期だと思われ、その時期にティーチ・インを聴いたのが、唯一の生・エドワード・ヤンだった。








いざ上映ホールへ。ふあっ!懐かしい!!スクリーンの上に、刺繍されたこういうのがかかってたの、昔からだと思うのだけどすっかり忘れていた。椅子はさすがに新しくなってるかな?昔の映画館、ドリンクホルダーなんて概念はなかったと思うのだけど、ドリンクホルダーつきになっていた。それ以外は変わらず。友達に誘われてカラックス「ポンヌフの恋人」を観たのも、ゴダールのリバイバル、市川雷蔵特集、とにかくこの場所で出会った映画は数えきれない。









イメージフォーラムで観ていた「恐怖分子」のリバイバル上映、2度目を必ず観ようと思い、東京では時間がなく、調べてみたら京都でタイミングがあった。リバイバルにあたって、熱っぽい推薦のコメントや、たくさんの人が感想を書かれてるのを読んだけど、どれにも納得できるけど、自分の言葉ではないので、どの言葉もしっくりこない、とも思う。ではあの映画について何か言葉にしてみよう、と試みてみても、震えに震えた自分の心に添うような、うまい言葉はやはり見つからない。いつかエドワード・ヤンの映画について、納得できるような何かを書ける自分になるのが当面の目標、ということか。


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