オスカーでディカプリオを制して(? 2強だったのだろうか?)主演男優賞を獲ったマシュー・マコノヒー「ダラス・バイヤーズ・クラブ」この間観たのだけど、非常に体調が悪い、ちょっと朦朧とした日に観たので記憶が曖昧。そんな日に映画を観に行ってはいけない。朧げな記憶の中では、マシュー・マコノヒーよりも、助演男優賞を獲ったジャレッド・レトの存在感のほうが強かった。甘い声、儚げな仕草、ひらひらした女の服に、細くて長い脚。あらすじは見届けたものの、あらすじを見届ければ良いという映画ではないことも理解したので、名画座にまわった時に体調万全にして見直したい。
マシュー・マコノヒーといえば、ソダバーグの「マジック・マイク」も良かったな。チャニング・テイタムの自伝的物語で、男性ストリッパーの世界。チャニング・テイタムがとにかく犬のように可愛い(褒めてる)のに加え、ストリップクラブのオーナーであるマシュー・マコノヒーの板の上の人生も年季が入ってますという風情が良かった。
おそらく女性のストリッパーの衣装も、普通の女性服とは違う、脱ぎやすい工夫があるのだろうけど、男性ストリッパーの衣装も仕掛けがいっぱい。 「荒々しく己の衣服を剥ぎ取る」仕草や音も、客席の女性陣のワーキャー心に火をつけるようで、布を一部ずつ荒々しく剥がすたびに、バリッと威勢のいい音がするので、マジックテープ?か何かが仕掛けられてるんだろうか。映画の衣装展示を時々見かけるけど、有名女優の着たドレス・・などより、マジックマイクの衣装を間近で見てみたい。
マシュー・マコノヒー、90分ぐらいで終わるからサクッと見られて何も残らないハリウッドで定期的につくられるロマコメで、スター女優の相手をしてる俳優という印象しかなかったけど、こういう路線変更もあるのだなぁ。ロマコメで稼いだお金でしばらくは生活できるから、と家族と話し合い、ロマコメ映画へのオファーを徹底して断り、どういう俳優になりたいか自問自答して出演作を選びに選んだと何かのインタビューで読んだ。オスカーをディカプリオに獲って欲しかったな、と思ったのは、ディカプリオの演技が引き出しを全部開け切った爽快感に溢れてて気持ちよかったのと、マシュー・マコノヒーはこれからも賞レース常連になりそうだから。人生って、ままならぬものなのだな。