CINEMA STUDIO28
2016-03-31
2016/3/31
2016-03-30
2016/3/30
2016-03-29
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2016-03-28
2016/3/28
2016-03-27
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2016-03-26
ted2
2016-03-25
2016/3/25
2016-03-24
2016/3/24
2016-03-23
2016/3/23
2016-03-22
2016/3/22
2016-03-21
鋪道の囁き
2016-03-20
Le procès de Jeanne d'Arc
ブレッソン映画はレンタルで出回ってるものが少ないように思うけど、近くの図書館に唯一あったタイトルが何故か「ジャンヌ・ダルク裁判」、未見だったので借りてみる。
冒頭の説明で、ジャンヌ・ダルクについて残された史料は少ないが、裁判記録は残されており、それに忠実に作られた映画とのこと。前後に何度も映画化された、物語に仕立てられた波乱の生涯を描くのではなく、裁判の場と地下牢を往復し、やがて火刑に処されるまでを淡々と描く、ブレッソンらしいストイックさ。歴史に疎い私は、63分という短さに助けられた。
裁判の内容は宗教問答に終始し、声が聞こえる、声に導かれたと主張するジャンヌは問い詰められる。頑なな表情から発される言葉の響きは、盲信が過ぎた女の狂言と、選ばれし者の証言の間を往復する。
女学生のように初々しい風貌の女優の着る飾りのない、布の分量の少ない上着、パンツ、ブーツが火刑の前に脱ぎ捨てられ、さらに簡素な円筒衣に着替えさせられ、はりつけにされたジャンヌが何故か最後に必要以上に女らしく見えたのは着るもののせいだろうか。
顔より先に手や足、足音が映し出されるブレッソンらしい映像。息の詰まる場面の隙間に、唐突に映し出される犬や鳥の動きが妙に目に残った。
2016-03-19
2016/3/19
2016-03-18
Cinema memo : 台湾巨匠傑作選
2016-03-17
2016/3/17
http://cinematoday.jp/page/N0081105?__ct_ref=https%3A%2F%2Ft.co%2FGbtyReZpvw
ナワポン監督、映画祭で2度Q&Aで話を聞いているのだけど、タイの映画マーケット、観客たちについて、自分の国の映画が国際映画祭で受賞したら日本では興味を持って映画館に観に行く人が増えると思いますが、タイの観客はむしろ腰が引けてしまう。映画祭で受賞するような難しい映画なのか…!って。と話していたのを思い出す。
映画研究家が、ゴダールのジャンプ・ショットを観る手段がないから資料を読みながら妄想を膨らませてた…というのも他人事とは思えない。私も物心ついて映画を自主的に漁って観るようになった頃、今に比べてあまりに、観たいものを観たい時に観られる手段が少なく、学校の図書館で「日本映画シナリオ大全」的な、誰も借りた形跡のない分厚い本を広げて、書かれたキャスト、スタッフの名前、セリフ、ト書き…とにかくシナリオから映画を…セット、衣装、女優は右から入ってきて…と妄想してたもの。Netflixのような便利なものが登場しても、観たい映画が観たい時に観られるなんて…そんなつまらないことってある?という違和感を拭えないのは、あの経験からだろうか。そしてこの妄想癖も…。
ナワポン監督も「あの店長」の店の常連だったとのことで、確かに監督の映画は日本映画の影響を強く感じるし、「36のシーン」が東京国際映画祭で上映された後、「この映画は僕からの、日本映画へのラブレター」と呟いているのを読み、なるほどね、と膝を打った。人は自分が観たものでできているのだな。たくさんの人が映ったこの記事の写真、右下のメガネ青年がナワポン監督。字幕もついたことだし、東京で上映してくれないかしら…。
2016-03-16
Seijun Suzuki retrospective
2016-03-15
2016/3/15
2016-03-14
神探 / MAD探偵
2016-03-13
2016/3/13
2016-03-12
NODATE PICNIC CLUB / 宇宙SF / 星づく夜
2016-03-11
2016-03-10
2016/3/10
2016-03-09
2016/3/9
2016-03-08
続・死に体のiPhoneのメモから
2016-03-07
死に体のiPhoneのメモから
2016-03-06
2016/3/6
2016-03-05
本郷から日比谷
2016-03-04
PTU
2016-03-03
Election 2 以和為貴
銃撃戦の火花で暖をとる冬の終わり。家でコツコツ開催していたジョニー・トー映画祭のメモ。
エレクションの後篇、「エレクション 死の報復」を観る。原題「Election2 以和為貴」で、こちらのほうがいい。「和をもって貴しとなす」という副題が似合う物語だから。
前篇は黒社会で最大勢力を誇る一大組織の内情を描くクラシックな香港ノワール。2年ごとにあるトップ選挙、儀式、掟。カメラは香港の外に出ず、縄張りを暴力で支配して高いところから眺める尖沙咀の夜ほんま最高や!と狭い香港の内側の話だけど、後篇は返還後、中国との関わりの中で香港黒社会に射し込む変化の兆しを描いている。2006年の映画。
暮らしていた時間のせいか、北京(ひいては中央政府)のほうが体感的に身近で、だから香港や台湾の人々と話していて「大陸は嫌い」と言われるたびに少し傷つく私でも、返還式典をニュースで観て、香港の街並みに人民解放軍の車が入ってきた時は軽くショックを受けた。初めて香港に行ったのは返還前、まだ飛行機は高層アパートに住む人々が干した洗濯物に触れられるような距離を旋廻し、啓徳空港に着陸していた。その次に行ったのは2000年、旅行者の私は大きな変化は感じなかったけど、出かけたり食事したりした香港人は、変わってしまった、もはや返還前の香港ではない、と皆、寂しそうに口にした。
前篇から2年経ち、再びトップ選挙の年。2年の間に香港黒社会を取り巻く環境も激変しており、もはや内部で覇権を争うだけでは生き残れない。堅気になって大陸で商売を広げたい古天楽(ルイス・クー) は選挙に興味を示していなかったものの、中国公安との取引によりトップを目指すことになる。ああ面白い!黒社会を手懐け協調路線を築きたい中国公安の腹黒さよ。もはや敵は黒社会の中におらず外にいた。
古天楽(ルイス・クーと日本では表記されているけど、この中国名の漢字の並びや響きがとてもいい)、前篇では黒社会稼業の隙間に大学で経済学の授業を聴講している場面があった。後篇では大陸ビジネスに普通話を覚えるのは必須という心構えなのか、妻と食事するレストランでメニューを見ながら、漢字で書かれた料理名を普通話で読もうとトライするのだが香港人には馴染みのない音も多いのか、ウェイターにクスクス笑われながら訂正されるという場面があった。勉強熱心で真面目、そして本気で堅気になりたいのだなぁ、という解る場面でもあるし、今後は大陸の言葉を習得しないと商売にならない切実さも感じる。
返還後に行った香港でぶらぶら中華系デパートを歩いていたら、踊り場に普通話教材を紹介するブースがあって、香港の人はどうやって勉強するのだろう…と近づいて眺めていたら、売場の女性に話しかけられた。普通語の学習に興味ありますか?もう生活には困らないぐらいは話せるんです。え?どうやって勉強したの?北京で。え?あなたどこの方?日本人です。という不思議なやりとりをした記憶。遊んでいた香港人の友達は、官庁の高い役職に就く人は職業上の要請である程度は話せたし、若い女友達は学校で覚えたけど香港ではそれまで話す機会がなく、私と普通話で電話で話してる後ろでお姉ちゃんが「あなた何、普通話話してるの!面白い!」と茶々を入れる、という塩梅だった。あれは2000年頃で、それから数年経ったこの映画ではもはやビジネスでは必須という感じだったのだなぁ、と一生懸命な古天楽を観て思った。
トップ選挙は前篇に引き続き票獲得のため凄惨な手段も用い、しばらくミンチ肉が食べられるなくなると忠告された場面は、意外と大丈夫だったけど、ミンチにする前の場面で包丁を持つ古天楽の手つきが完全に肉屋のそれだったことと、犬にミンチ肉を食わせる檻の間の通路に古天楽の影が長く伸びる俯瞰のショットがキメキメに格好良く見惚れた。
しっかり黒社会もの、香港ノワール王道の艶やかさも保ちながら、政治も経済も変化の渦中にある街を、センチメンタルに過ぎない視点から描くジョニー・トーのような映画監督がいる香港が羨ましい。
2016-03-02
2016/3/2