http://cinematoday.jp/page/N0081105?__ct_ref=https%3A%2F%2Ft.co%2FGbtyReZpvw
ナワポン監督、映画祭で2度Q&Aで話を聞いているのだけど、タイの映画マーケット、観客たちについて、自分の国の映画が国際映画祭で受賞したら日本では興味を持って映画館に観に行く人が増えると思いますが、タイの観客はむしろ腰が引けてしまう。映画祭で受賞するような難しい映画なのか…!って。と話していたのを思い出す。
映画研究家が、ゴダールのジャンプ・ショットを観る手段がないから資料を読みながら妄想を膨らませてた…というのも他人事とは思えない。私も物心ついて映画を自主的に漁って観るようになった頃、今に比べてあまりに、観たいものを観たい時に観られる手段が少なく、学校の図書館で「日本映画シナリオ大全」的な、誰も借りた形跡のない分厚い本を広げて、書かれたキャスト、スタッフの名前、セリフ、ト書き…とにかくシナリオから映画を…セット、衣装、女優は右から入ってきて…と妄想してたもの。Netflixのような便利なものが登場しても、観たい映画が観たい時に観られるなんて…そんなつまらないことってある?という違和感を拭えないのは、あの経験からだろうか。そしてこの妄想癖も…。
ナワポン監督も「あの店長」の店の常連だったとのことで、確かに監督の映画は日本映画の影響を強く感じるし、「36のシーン」が東京国際映画祭で上映された後、「この映画は僕からの、日本映画へのラブレター」と呟いているのを読み、なるほどね、と膝を打った。人は自分が観たものでできているのだな。たくさんの人が映ったこの記事の写真、右下のメガネ青年がナワポン監督。字幕もついたことだし、東京で上映してくれないかしら…。