徒歩3分のところに住んでる友達が朝から訪ねて来て、本郷まで散歩。万定フルーツパーラーでカレーを食べる約束をしばらく前からしていた。前に来た時はレモンスカッシュだけ飲んでカレーは食べず。レモンスカッシュはちゃんとレモンの酸っぱい味がして、さすがフルーツパーラー!と思った。あちこち古いね…と思えば大正3年創業で、この建物は昭和3年に建てられたそう。昭和3年…1928年…それって…(検索)…自分のほうに思いきり引き寄せてみて映画史ならグレタ・ガルボやバスター・キートンが活躍してた時代、去年観たジョン・フォードのサイレント「血涙の志士」は29年の映画だった。古いはずだね…。
食事はカレー、ハヤシライス、カレースパゲティ、ハヤシスパゲティ。
窓辺の席、ガラスに鳥が。
私はカレー、友達はハヤシライス。
少し焦げたような味がして、しかしハプニングではなくいつもこの味らしい。
何をどうしてあの焦げた味を作ってるのだろうか…わざとちょっと焦がして…?
カレー、生搾りジュース以外にも名物があって、このレジスター。昭和9年からずっと現役だそうで、当時は家が一軒買えるほどの値段だったとか。昭和9年…1934年…(検索)…小津監督の「浮草物語」、フランスからは「アタラント号」、アステア様は「コンチネンタル」を踊り…!なんて長きに渡っての働き者なの。
Nationalのロゴがあったので、松下電器製かと思えば違って、ナショナル キャシ レヂスター会社とあり、現在も存在するNational cash register(NCR)社の舶来品。その下に「北米合衆国 オハヨー州 デートン」と書いてあって、オハヨー?あ、オハイオ!日本の貨幣に対応するようにYEN SEN(円、銭)の文字あり。カレー代750円払ったら、がしゃがしゃがしゃーンの音の後に「現金」「75SEN」と表示された。
文化遺産級の店だった。春には苺ジュースがあるようだし、散歩がてら飲みに再訪したい。その後、東大構内を抜け、根津から千代田線に乗って日比谷まで。
名画座の番組も魅力的だったのだけど、2本立てを観ると家事・休息の時間が圧迫され繁忙期前にのんびりした時間がないと辛い…ま、映画ものんびり観てるのだけど、それでもね…と、スカッと1本、新作を観ることに。スカラ座で「オデッセイ」を。3D眼鏡かけて宇宙もの観ていると、数駅しか離れてないのにカレーから一気に何世紀も進んだ錯覚。