CINEMA STUDIO28

2016-04-17

The eternal city

 
 
眠ってばかりの週末。ようやくヒトらしく二足歩行できそう…おお、進化。など体力回復に歓喜してみるも、無情なことにもはや日曜の夜、再び眠る時間が来た。盆地育ちなので暑いのも寒いのもそれなりに得意だけど、こと屋内にいる時間においては、冷房も暖房も要らず、開けた窓からそよそよ風が舞い込む中、眠気に抗わず眠れるこの季節ほどの多幸は他にあるだろうか。
 
 
観なければならないものも、書かなければならないものもたくさんあるけど、返事しなければならない2通だけ短く返事し、眠りの合間に西川美和監督の本を読んでいたら、書かなければならないものにおいて示唆に富んだ内容だったので、人生に無駄な時間などないのであるな、と悦に入った。映画を監督することについて書かれたエッセイの冒頭。
 
 
「宇宙旅行へ出かけてみたい」と思ってはみても、では実際お連れしましょう、と言われたらちょっと尻込みしてしまうように、私は映画の監督をすることに尻込みをしてしまった。そういう時「やっほう、レッツゴー!」と言える人、本来監督をやるべきは、そういうタイプなのだと思います。


…ん?やっほう、レッツゴー!的な何かを最近、目にした気がするよ…探してみるとこれだった。スコセッシが11歳の時に描いたという絵コンテ。75㎜シネスコサイズ。MARSCO PRODUCTIONというのは Martin Scorseseに因んだ名前なのだろう。製作費さえ与えられれば明日にでも撮影を始められそうなクオリティ。やっほう、レッツゴー系の人は凄い…生まれながらの素養だなぁ…。スコセッシのフィルモグラフィーにそれほど詳しくないけど、この映画まだ撮ってないはず。映画監督が私財を投げ打って構想何十年、巨大セットで撮った系列の映画が大好きなので(ジャック・タチ「プレイタイム」やコッポラ「ワン・フロム・ザ・ハート」などが該当)是非元気なうちに11歳からの構想を実現!という触れ込みで撮ってほしいもの。この系列の映画は製作費の膨大さに対し興行的に失敗しがちで監督の破産を招く…というオチがつきがちなのだけれど。
 
 
西川美和監督からスコセッシに着地したので、いよいよスコセッシについて考えようっと。