CINEMA STUDIO28

2016-06-13

CINEMA VALERIA

 
 
ロメール特集で、まるで公式パンフレットかのように売られていたZINE「CINEMA VALERIA」が素敵で、本棚の、コツコツ集めてるロメール・パンフレットのエリアに飾ってる。
 
 
表紙の写真はカンヌだろうか。ロメール「夏物語」やジャック・ロジエ「アデュー・フィリピーヌ」のような、海辺で薄着の男女が入り乱れるヴァカンスものは、日本で言えば能や狂言のような、フランスの伝統芸能だから、ロメールが亡くなっても誰かが細々と絶やさぬよう継承しなければならない…と思っているのだけど、最近のフランスはヴァカンス映画作ってる場合じゃねえよ!ということなのか、あまり観ない。近年観た中で最も近かったのはホン・サンス「ハハハ」だった。
 
 
 
 
アマンダ・ラングレ(「海辺のポーリーヌ」のポーリーヌ!)のインタビュー(!!!)や、山田宏一さんの寄稿など読みどころたくさん。山田宏一さんはロメール・ファッションについても書かれている。「ファッションも素敵で、といってもあからさまにファッショナブルというわけでもなく」
 
 
今回、再見した4本で、おお!と思ったロメール・ファッションは「モード家の一夜」の、まさに一夜の場面。いよいよベッドに入ることになり女がパジャマに着替える。モノクロなので色は不明、けれど白っぽい色で長袖の…何度も水をくぐりすっかりくたくたになったバスクシャツのような、着丈が長めのトップスをワンピースのように1枚で。かろうじて下着は見えず、けれど太ももは露わで。着替えてドアの向こうから登場し、眠る時はこれも脱いで裸になるの、と説明した、あのロメール・ファッションはさりげなく記憶に残った。