CINEMA STUDIO28

2014-04-17

Jacques Tati! : On demande une brute

 
 
イメージフォーラムで。ジャック・タチ脚本、出演の短編「乱暴者を求む」1934年。監督はシャルル・バロワ。タチ演じる売れない俳優が、劇団に雇われる当てが外れ、生活を憂いた妻により面接に向かう。強気に行けという妻のアドバイスに忠実に強気に出たらトントン拍子で採用に至ったものの、仕事は野獣みたいなレスラーとの試合。さらに負けると逆に金払ってもらうぜ、というあり得ない契約だった…。という物語。
 
 
とても野獣には勝てそうもないタチのひょろっとした体躯がリングの上でひょこひょこ動くさまも見ものながら、冒頭の食事シーンから始まる一連の独特な夫婦関係、ふたりの力学はもっと見もの。30年代、女は髪型も洋服もバリエーションは少なく、とても女らしく見えるのだけど性格は勇ましく、その勝気であればむしろ妻が野獣と闘うほうが俄然勝てそう。女の服装含む見た目と中身の組み合わせは、現代でも完全一致するとは限らないけど、この妻は現代であればどんな洋服を選んで着たのかな?と、タチそっちのけでそんなことばかり想像していたら、あっという間に終わってしまった。