CINEMA STUDIO28

2015-09-08

六区に映画の火を燈す/ 紙切りから阪妻

 
 
浅草東洋館の上映イベント、続き。キートンが終わると休憩があり、次は紙切り、林家正楽師匠…!浅草っぽい…!と楽しみにしていたのだけど、予想以上に楽しかった…!
 
 
紙切り?という疑問については、このインタビューがすべて語っているので略。
 
 
紙切りとは何ぞや、を観客に説明するために、まず相合傘(傘とその下にいる男女)を切り、次に馬に乗った丹下左膳だったかな。切りながら師匠はずっと身体を馬に乗ってるように前後に動かし、全身運動だな…と眺めていると、身体を動かさないとね…(と、静止)暗〜くなっちゃうの…と、笑いをとりながらも手は動かす。
 
 
そして客席のリクエストに応えて切ってくれるコーナー。映画のイベントだから映画にちなんだリクエストを、と、「チャップリン」「キングコング」「吉永小百合」…だったっけな。チャップリン、何度も苦笑いしながら直しながら(その間、ぐわんぐわん身体を動かしつつ)これは…チャップリン…?チャップリン…のような人…私の…チャップリンの…イメージ…と気弱げに喋りながら、はい!と見せるとちゃんと似てるのだから見事。さすがにこの道何十年。「キングコング」は摩天楼の上で暴れるキングコング、「吉永小百合」はナウシカのように風の吹く草原に佇む吉永小百合(そんな映画があったかは知りませんが…と)と、背景もあわせて切られていた…!
 
 
続いて2本目の活動写真は阪妻(阪東妻三郎)の映画「喧嘩安兵衛」。喧嘩にめっぽう強い荒くれ者の安兵衛の家に果し状が貼られ、たーっと江戸を駆けて向かった先は…高田馬場の決闘!という筋書き。説明は片岡一郎さんで、噺家のように着物姿で、口調もまるで噺家。映画の前に、東洋館の成り立ちや、かつての映画の上映形式など歴史についてもわかりやすく説明してくださった。
 
 
 
阪妻の映画なんて観るの、いつぶりなのだろう…?京都時代、たくさん観たような記憶があるのだけど。安兵衛、大立ち回りで着物の裾が翻るとき、ちらりと覗く脚線美。そしてまだ100年も経ってないのに、この頃の日本人は現在とずいぶん頭身が違う。時代劇を見ているとよく箱型の枕がでてきて、安兵衛もそれで寝ていたのだけど、あれって頭にまるでフィットしないし、微妙に高さもある気がするのだけど、首を痛めたりしなかったのかしら。そして、どこで撮られたのか知らないけど、映画の中の高田馬場は、建物の影が見当たらない広場で、おお…高田馬場!高田馬場って何もないところから発展したんだね…と、しみじみしているうちに、あっという間に「終」マークが出た。
 
 
上映時間10分にも満たなかったのでは。何でも、本当はもっと長い映画なのだけど、消失してしまっていて現存するのは少しなのだとか。これから!というところで終わった気がするけど、久しぶりにチャンバラも、阪妻の脚も観られたから満足。
 
 
明日に続く…!