週末、古書ほうろうでの収穫の続き。市川崑監督「黒い十人の女」パンフレットとは呼べない厚みの一冊。デザインが綺麗で大満足。97年のリバイバル当時ご存命、というより現役バリバリだった市川崑監督のインタビュー、ゴダールにかぶれ、助監督になりたくて奥様の和田夏十さんと夫婦でフランス語の勉強までしてたエピソード、知らなかった。岸恵子さんのインタビューはこの映画の撮影エピソードだけではなく、小津監督やコクトーとの思い出にも触れている。写真も多く、シナリオも採録されていて豪華。
市川崑を知らない世代への紹介、というスタンスだったのか、次に観るべき市川作品5本、を何人かが挙げており、「東京オリンピック」や「鍵」の人気が高い印象。振り返ってみるに、このリバイバルの時期、私は確かバタバタしてて見逃し「黒い十人の女」は何年も後に観たけど、その何年か前に市川雷蔵特集に足繁く通って観た中で何本かまとめて観たのが監督として意識して観た最初だったと思う。だからなのか好きなのは「ぼんち」が筆頭で、「炎上」「雪之丞変化」も好き。雷蔵シリーズと、「女性に関する十二章」や「あなたと私の合言葉、さようなら・今日は」など現代ものを、私なら選ぶかな、と思いながら読んだ。
改めて写真を見ると、岸恵子さんの立ち姿の美しさ!この時代の洋装は、和の景色にも馴染む日本らしさがあって好き。岸恵子さんの衣装、全部着てみたい。と、うら若き自分は当時、こんな佇まいの大人になるのだ、と思った気がするけど、大人になった今も、こんな大人になるのだ、と思っている。