CINEMA STUDIO28

2016-12-31

Boogie!!



手土産を買いに行った銀座の年末。クリスマスのキラキラよりお正月より、年末に向かうこの数日が好き。ピリッと冷たい冬の空気に、白白とした春の光。



昨夜、シネマヴェーラ渋谷のハワード・ホークス特集より「教授と美女」で映画納め。バーバラ・スタンウィック目当て。冒頭、百科事典を編纂する女っ気のないおじさま教授軍団をメインとした数分を…早く…早くバーバラを…と念を送りながら見守っていたので、見事に引き締まったウェストと足首のバーバラが、歌って踊って登場した時は全細胞が沸き立った。ヒューヒュー!



映画も本当に見事で、この映画で納められて幸せな1年だったなぁ…。けれど、大晦日に長い文章書くなんて野暮よ?ということで、「教授と美女」より、バーバラ登場シーンを共有して年末のご挨拶といたします。






アンコール!アンコール!







Cinema Studio 28 Tokyoは来年より本格始動いたします。どの街の皆様も、よいお年をお迎えください。

2016-12-30

前売り


年の瀬の買い物。来年3月公開の映画の前売りを、早くも購入。鬼よ笑え。


「牯嶺街少年殺人事件」の前売りを買える日が来るなんて!角川シネマ有楽町には、3/11公開とシールの貼られた大きなポスターも貼られていて…夢かしら⁇と何度も思った。


エドワード・ヤンのリアルタイム体験は「恋愛時代」からなので、「牯嶺街少年殺人事件」はスクリーンで観たことがなく、レンタルVHS(上下巻)で観たのみ。台湾に行けば観られるんじゃないか…と検索してみたり、パリでかかったと聞けば遠くから羨ましがったりすること幾星霜。


勢いで2枚購入したのは、誰かを誘う…わけではなくて、一度めは胸いっぱいのままエンドロールを迎えそうで、冷静に鑑賞できるのは二度めからだろう、と予測しているからです。


http://www.bitters.co.jp/abrightersummerday/

2016-12-29

さまざまな28



12月初旬、cinemastudio28.tokyoの開館準備に勤しむ頃、フランスから小包が。??…何か買い物した覚えはないけれど…と開けてみると、



28!


パリに住む友人から、お祝いに28にまつわる何かを、と探してくれたらしいナンバープレート。状態が良いので新品かと思えば、1940-50年代のパリのどこかの通りのナンバープレートとのこと。


12/28に無事開館できたら、部屋に取り付けることに決め、昨日無事取り付けたの図。パリでぼんやり着想を得たこともあって、とても嬉しい贈り物。


cinemastudio28.tokyoのドメインは、1/28に取得した。その日、ルビッチの誕生日だと知り、夜に慌てて取得。1年以内にサイトを立ち上げることを決めた。ルビッチの誕生日は1/29という説もあるのだけれど。


そして翻訳してくださった、りえこさんからの情報として、巨大シネコンだったアメリカ、ミシガン州のStudio 28は閉館したけれど、カンザス州に現存するStudio 28があり、そちらもいかにもアメリカらしいシネコンとのこと。


https://www.amctheatres.com/movie-theatres/kansas-city/amc-studio-28-with-dine-in-theatres


訪れることはこの先もなさそうだけれど、同じ名前を持つ映画館として、共に邁進したいものです。


------------


こちらのblogは、しばらくcinemastudio28.tokyo内のdiaryと並行稼働しますが、cinemastudio28.tokyo内のdiaryに、さらに機能追加(検索やアーカイブ等)でき次第、こちらの更新を停止し、過去記事は公開のまま残す予定です。cinemastudio28.tokyoは、htmlって何…?という状態から必要最低限のサイト構築知識を学び、自作しました。冬休みを使ってコードを追加し、diaryを装備していくのが残りのミッション…!


http://cinemastudio28.tokyo/diary/

2016-12-28

【お知らせ】Cinema Studio 28 Tokyo open!!




Cinema Studio 28 Tokyoは、
インターネットを漂う、
東京にあるらしい、
あるかもしれない映画館




映画の121歳のお誕生日、12月28日、東京時間21:00、Cinema Studio 28 Tokyoオープンしました。




映画にまつわるwebサイト、webマガジンと説明するのが簡単だけど、小さな映画館を作ったつもり。映画館は映画がかかる場所ですが、そして「映画好きが集まる場所でもある」と意味づけ、映画を愛する人々が集まり、それぞれの視点から、好きな映画についておしゃべりする場所を、小さな映画館を守るように続けていきます。



開館のご挨拶をしておりますので、東京タワー上空の、黄色い小さなドアからどうぞお入りくださいませ。(Cinema on the planet 001 / about "Cinema Studio 28")



メンバーを紹介します。



デザインは、川畑あずささん。



私の本棚に何年も残る、中身はもうすっかり読んでしまっても佇まいが気に入って手元に残り続けている本が、ある1人のデザイナーが手がけたものであることに気づき、ファッションから絵本まで手がけるジャンルの広さ、また映画好きの気配がすることにも惹かれて、面識はないながら、お願いのメールを書きました。



頭の中にあるだけの、ふわふわもやもやした形のないCinema Studio 28 Tokyoについて長い会話を交わし、webデザインのあれこれもあっという間に理解いただき、言語化できないニュアンスもすっかり汲み取って、素敵な映画館を建ててくださいました。ここ数日の私といえば、リロードするたびに徐々に映画館が完成していくのを、ポカーンと指をくわえて「匠の技…あずさマジック…!」と眺めていただけです。



Los Angeles支部・日英翻訳は、りえこさん。



私が書くものを遠くで長らく読んでくださっていたりえこさんが、パリに旅行される際、いつか私が書いたモンマルトルのCinema Studio28に行ってみたい、と連絡をくださったのがやりとりの始まりと記憶しています。今回、改めて写真を探してみて、私の撮った上映室内部の写真がピンボケで、その1枚はりえこさんが撮られたものをお借りしました。パリのCinema Studio28が引き寄せた縁が、時間を経て、新たな形を結んだことに、この世の不思議を感じているところ。



映画館は誰にでも開かれた場所だから、世界中の人に遊びに来てもらいたいと思い、Cinema Studio 28 Tokyoは日英2カ国語で更新することを決め(私の日記以外…)、りえこさんには日英翻訳を担当いただきます。お仕事の後や休日、ハリウッドやLos Angelesのあちこちまで車を飛ばして映画を観に行く日々を送られていることもあり、アメリカの映画館、映画まわりのこと、これからたくさん紹介していただきます。



記事は不定期更新ですが、日記はdiaryページで毎日書きますので、どうぞ遊びにいらしてください。これから魅惑の!執筆陣が登場しますので、どうぞお楽しみに…!

2016-12-27

白く寒そうなところ



仕事納め。今年はわたわたしており、忘年会のようなものには一つも出席せず、年末感が希薄。

いつか行ってみたいと野望を抱いていた、高田世界館という、現存する日本最古級の映画館。今年で105歳!


http://takadasekaikan.com/



遠出して行くのであれば、これぞという映画がかかる時にしたいな、と思っていたら、2月にここで「ハッピーアワー」がかかるらしい。最近、口を開けばハマグチの話ばかり…。しかしそのおかげで、遠いと思っていた新潟が身近に。

奈良も京都も恐ろしく底冷えするところだったし、北京は極寒の日はマイナス20℃の世界だったので、寒いところに耐性はあるけれど、雪深いところにこれまで縁がなかったので、2月の新潟…と、何をどう対策していいのかわからないながら、白い視界を妄想している。その頃には、どこか遠くへ行きたい気分が高まっているような気もするし。

2016-12-26

活動写真



おそらく、後から振り返っても、私にとって特別な時間だったと思い出すだろう12月の隙間を、ハッピー・ハマグチ・アワーが埋め、文字通りハッピーにしてくれている。


慣れない東中野通いも、今夜の「天国はまだ遠い」「不気味なものの肌に触れる」の中篇2本立てで終了。次に行くのはまた何年後か、だろうか。家からも仕事場からも通うのは面倒だったけど、ポレポレ東中野は本当に駅前にあり、外に出るとこの風景。


濱口監督、すでに乗り物映画の巨匠の貫禄あり、どの映画でも印象的な乗り物の場面がある。以前、トークを聴いた時、



「映画は”活動写真”なのでスクリーンに動くものが映っていることで映画らしさが出てくる。低予算の映画の場合、人を固定してカメラを動かす、ということは予算上難しいので、公共の乗り物で撮影して、窓の外の景色がどんどん動いていく、という場面を撮っている」


と、説明していらしたのを、メモとして残していた。



東中野通いは終わりだけど、私のHHHは、まだ続くのよよよ。

2016-12-25

HHH!



東中野へ。


https://hamaguchi.fictive.jp/



2度目の「PASSION」と、中篇「永遠に君を愛す」「記憶の香り」を。どちらも満席・立ち見・通路に座布団敷きで、びっしり。入れ替え時のロビーの人口密度よ。そしてどれも河井青葉さんが出演、会場にはご本人も!


さらに、岡本英之さんのミニライブも。「親密さ」の劇中劇で登場する歌い手、という認識だったのだけど、レア短篇集を観た時、俳優としても登場していて、佇まいに惹きつけられたので、タイムリーなクリスマスプレゼントのようだった。



缶チューハイで喉を潤しながら濱口映画に因んだ曲、「永遠に君を愛す」から2曲、「親密さ」から2曲。歌声はもちろん、話し声も素晴らしく、俳優としての魅力の一部に、台詞を発する声の魅力も含まれていたのだな、と思う。有機的で多くの感情が含まれ、濱口映画そのもののような声だった。

2016-12-24

Mirror portrait



用があって、クリスマスイヴの六本木へ。ハロウィンといい、街が浮かれている日に限って六本木に用があるのは何故かしら。


ついでに鈴木理策さんのMirror portrait展へ。作品背景にあるコンセプトなど、詳細はこちらを。


いただいた資料にアヴェドンの言葉、


「肖像写真とは撮られることを知っている人物の写真だ」



が引用されていたせいか、展示を眺めながら、アヴェドンの有名なモンローのポートレートを思い出していた。


連写の一コマなのか、オフショットを撮ったのか、モンローはどこまで「撮られている」ことに自覚的だったのだろう、と想像力を掻き立てられる一枚。陽のモンローではなく、陰のモンローが写された象徴的なショットだけれども、映画でもモンローは、明るい役も不安定な役も演じていて、映画も写真も、本人は果たしてどんな女性だったのだろう、という役柄と実存の境界が眺めれば眺めるほど曖昧に滲んでくる。


鈴木理策さんのポートレートは、コンセプチュアルな写真だな、と思いつつも、最近、遠くの人とSkypeなどを通じての打ち合わせが多く、必要があれば私もPCのカメラの前にいるのだけど、それは鏡を見続けているのに似た行為で、画面に映った自分を見てまず何をするかというと、髪の乱れを整えること。展示されたポートレート群も、髪に手をやっている人が多く、化粧直しの道具を携えているわけでもなく、洋服を着替えられるわけでもない、身づくろいの選択肢が少ない状態でいると、人は髪を整えるという動作をまずとりがちなのだな、ということを興味深く観た。

2016-12-23

2016/12/23



チャリテー!…下町っぽい。



10時間眠り続け、おやつを買いに本郷の近江屋まで散歩して、心身すっきり。春かしら?春かもね?という気温だったので、おやつはアイスクリームにした。予約したクリスマスケーキを受け取りに来た人々で近江屋はわやわやしていた。その後、長い打ち合わせを経て現在に至る。



「親密さ」がクリスマス・イヴにかかることでお馴染みの?HHH、「親密さ」は、クリスマス・イヴに相応しい映画ではなかろうか。3度目の「親密さ」を狙いながら願い叶わず…だけど、HHHには近々復帰!



https://hamaguchi.fictive.jp/

2016-12-22

2016/12/22



それぞれの呪いが他者によって解けていく、逃げ恥の見事な最終回を見て、呪いかぁ…呪いをかけられそうになったら、さささっと全力で逃げる習性のある私は、久しく感じてないなぁ。と思っていたら、昼休み、飛びこみ営業電話を取り、資料を送りたいから担当者の名前を教えてくれ、と執拗に言われ、「私です」「あの…男性はいらっしゃらないですか?」「担当は私です」「あの…男性は…?」「担当は私です。恐れ入りますが、男性は?というのは、どういった意図のご確認でしょうか?」「あははははー担当は男性かな、と思ったものですから」と言われ、唖然とした。これが…呪いというものか!ゆりちゃんも言ってた(こちら)。私たちの周りにはたくさんの呪いがあるの、って。女なんぞ相手じゃ話にならん、って言いたいかったんだろうな。ゆりちゃんー!


営業電話なのに人を不快にさせるなんて、それは営業電話と呼んでいいのか。注意深く、つまらない呪いをかけてこない人を選別して日々を過ごしていても、飛び込み営業で呪いをかけられるなんて、なんてトラップ、気が抜けない。周りの男性陣に、こんなこと言われちゃったよーと言ったら、電話、ガチャって途中で切っちゃえばよかったのに!と一緒に怒ってくれて気は晴れたので、


そういえばビジュアルを見かけたけど、ちゃんと見ていなかった…と、「牯嶺街少年殺人事件」のビジュアル&予告を検索し、前売りがもうすぐ発売開始(12/28)との情報を手帳にメモ、さらに気分転換。


http://www.bitters.co.jp/abrightersummerday/



この映画、英題がとても素敵だな、と思っていたので、URLが’ a brighter summer day’で嬉しい。

2016-12-21

2016/12/21


日記にタイトルをつけるのをサボってるうちに、タイトルのつけ方を忘れた。映画というテーマだけ決めて、毎日日記を書くことに決めたのが2年前の冬至の日。丸2年続いて、明日から3年目。


昨日書いた、西川監督のメイキングエッセイ、


http://j-nbooks.jp/jnovelplus/original.php?oKey=79



本木さんの永い文章は、句読点の独特さに慣れず多くを読み飛ばし、気がつけばプロデューサーK氏の文章、そして西川監督の文章へ。



なかなか寝付けずに夜中、読んでいたからか、なんだかこのあたりに、心がしんとした。



「私はこのホンを書くのに、みっちり生活を人生を賭して来た1年半を、先がどうなるかの見通しのつく世界に丸めるようなことをしたくないんです。」



「私は自分自身もどうしようもない人間で、さんざん絶望してますが、それでも他人にも、自分にも、また期待をしてしまうんです。本木さんにも(笑)。私はこれが五本目です。爆弾を抱えないと楽しめないし、私にとって映画を作ることはいまだに分不相応な気がしてとても辛いことなので、どのみちそういうものを抱えるならば、これまで自分がやってないことや、人がやりそうにないことをやらなくては、虚しいんです。」


己の欲望に他者を巻き込む側の人間の、ふてぶてしさと脆さの混じった文章。そして西川監督は、幸夫くんなのだなぁ。公開されるとは知らずに交わされただろう言葉たちを目撃してしまった、不埒な興奮と居心地の悪さよ。

2016-12-20

2016/12/20



わぁぁ!!逃げ恥最終回、最高であった…!ロマコメの糖衣に包まれて、ずいぶん複雑なものをよく描き切ったなぁ…!


http://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/


ルビッチ映画を好きな理由の多くは逃げ恥に落ちていたし、ルビッチを観るべく映画館にいそいそ向かうのに似た気分で火曜を待っていた。


終わってしまって哀しい。北の国からのように長寿シリーズとして続いてほしい。


話は変わって、西川美和監督のエッセイが今日から数日に分けてwebに掲載されるので、忘れずに全部読むように、自分。「永い言い訳」のメイキングエッセイ、「主役」について。


http://j-nbooks.jp/jnovelplus/original.php?oKey=79

2016-12-19

2016/12/19



家のテーブルの、PCのまわりに、ペンギンやBB-8、R2-D2を並べて、籠城作業の癒しとしており、しかし、ふと床に何かいる…!と近づいてみたら、粗暴な私によって振り落とされたBB-8だった。記憶にない…。しかし、床に落ちていても可愛いな、キミは。


スターウォーズシリーズについて、観るには観たけど詳しいわけではないので、公開中の「ローグワン」って何なのかいまいちよくわかっていない。


http://starwars.disney.co.jp/movie/r1.html


ドロイド萌えなので、現在iPhoneケースがBB-8とR2-D2が可愛く見つめあってるイラストのもので目立つので、持っていると仕事の打ち合わせ等々で、あ!スターウォーズ!と話かけられることが格段に増え、「ローグワン」の公開日も何ヶ月も前から教えていただいていた。ファンの裾野が広い、メジャーって素晴らしい。

2016-12-18

2016/12/18



栄養摂取の必要性も忘れそうだった日曜日。空腹に断固反対します!と言いたいところ。課題を徐々にクリアしつつあるのだけど、問題は課題がいつまでもなくならないこと!増殖している気も。課題の細胞分裂。


関西人なので、年末のお笑い番組は録画し、お笑いに飢えた時、時間をかけて何度も観るのだけど、録画したあらゆる番組の中で最も再生回数が多いのが「THE MANZAI」で、今日放映されるのを直前に知り、リアルタイムで視聴はできなかったけど、録画はできた。幼少期のお正月の過ごし方として、なんばグランド花月で大笑いした後、当時近くにあった美味しいステーキ屋さんでステーキ食べるの、鉄板コースだったな。


MANZAIといえば、市川準監督特集、今年は行けなかったけど、来年はリクエスト作品を上映するのだそう。


目黒シネマのこちらのサイトで、リクエスト受付している。


https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSewVV3HOhqlXuJ_EX1gaqbjUVNmNU1ijv7-J8tyPDkPCVXY1w/viewform?c=0&w=1


私は「大阪物語」をリクエスト。ジュリーと田中裕子夫妻が夫婦漫才のコンビで、デビューしたての池脇千鶴がその娘。大阪が舞台で、亡くなってしまったミヤコ蝶々も出ていた。大阪といえば反射的に思い出す映画なのに、ソフト化されていないので、映画館でどんどんかかってほしい。

2016-12-17

2016/12/17



追い込み中。頭が煮える…けれど、偶然ながら伴走していただくことになった方のホスピタリティに助けられている。ホスピタリティ万歳!


その頃には落ち着いて気が抜けた炭酸水みたいに、ぼーっとしてるはず。と、年末のシネマヴェーラの時間をチェックしていると、年始のプログラムも更新されていて、浪花千栄子特集だった…!若尾文子映画祭の時、スタンプラリー応募のアンケートに、誰の特集を観たいかを書く欄があって、違う映画館ながら、浪花千栄子でお願いします。と書いた願いが叶った!


http://www.cinemavera.com/preview.php


そう書いたのには理由があって、若尾文子特集で観た「夜の素顔」、若尾文子が霞むほど京マチ子と浪花千栄子が強烈で、演技というより闘牛とか、ハブとマングースとか、血の気多めの闘いをポカーンと眺めてるような時間だった。


http://cinemastudio28.blogspot.jp/2015/08/blog-post_21.html


ヴェーラのラインナップには「夜の素顔」は残念ながらないけど、浪花千栄子が出てくるだけで、映画全体が面白みのネクストステージに到達する偉大なる女優!無事に生き永らえて年始に到達できるよう…千栄子、あたい、負けないよッ(拳を固めながら)。



あ、今、改めてヴェーラのサイトを見ると、


「新シリーズ「名脇役列伝」第一弾は、やっぱりこの人しかいない!
浪花千栄子と聞いただけで頬が緩む皆さま、お待たせいたしました!!」



聞いただけで頬が緩む、はい、私です(勢いよく挙手)!


ここ数日、主にチャットだったり音声だったり、PCを介在した会話しかしていないのだけど、会話内容がいちいち昭和で、時々戦前だったりもして、21世紀は何処に。

2016-12-16

2016/12/16



写真だけでも季節感を…ヨレヨレ…。



今日はお休みをもらって机に向かっていたのだけど、さーっと終わらせて夕方から濱口特集行っちゃうもんね!と思っていたのが、さーっと終わらず、ずずーっと沼にはまって現在に至る。擬音の多い関西人。東中野が遠い。


合間に映画のニュースを読んでいたら、アカデミー外国語映画賞のノミネートが決まったようで、ラインナップを見ると、


http://eiga.com/news/20161216/15/


去年、東京国際映画祭で観た「ヒトラーの忘れもの」の名前が。映画祭時点では「地雷と少年兵」というタイトルだった。


http://cinemastudio28.blogspot.jp/2015/11/tiff2015_16.html


見応えある映画だったなぁ。内容が内容だけに2度めを観る気力は湧きにくいけど、哀しい物語なのに、美しく端正なショットばかり思い出されるのは何故かしら。


来年といえば、オスカーにもきっと絡むだろう「ラ・ラ・ランド」を楽しみに。エマ・ストーンのことを考えると、思春期男子のような気持ちになっちゃう。なったことないのに。最近はvogueの質問に答えるエマ・ストーンを眺めて目尻を下げた。エマ・・(ため息)。


http://www.vogue.co.jp/videos/celebrity/VJ102-73Questions-S1-EmmaStone

2016-12-15

2016/12/15



普段の自分比で、ここのところ屋内にいる時間が長い。乗り物に乗ったり、埠頭から海を観たい衝動に駆られるのは、濱口映画特集の只中にいるからだろうか。


写真は、秋の神戸。曇り空。


普段の自分比で、今年はあまり映画を観ていない。この時期、雑誌などで映画のベストが発表されるけど、12月に発売されるということは、それより前に選んでいるはずで、年の瀬も押し迫った頃に、これぞ年間ベスト!という1本に出会ってしまった場合、その映画は宙に浮き、選んで発表したはずの年間ベストも気が抜けた炭酸水のような味になるのではないだろうか。年間ベストを考えるのは、年明けがふさわしい。


手帳に観た映画リストを挟んでいるのだけど、「PASSION」は、どう考えてもランクイン。


2016-12-14

2016/12/14




しばらく根を詰めて机に向かっていることの、終わりは見えないながら、先ほど淡い光が見えてきて、今夜は少しホッとしているところ。きっとここからが面白くなるはず。


そうすると見送り続けてきた魅力的なプログラムの、あれもこれも、うまく時間を調整すれば観られるかもしれない。ポレポレの濱口特集、「親密さ」の第2部だけ再見したいという希望を設定。





今年は手紙を書く年だった。書いて封をするたびに、手紙って何なんだろうな、と問いが芽生え、「親密さ」には、その答えの欠片が転がっているような気がしている。

2016-12-13

2016/12/13



はぁぁ!火曜22時を楽しみにしてる組だけど、回を追うごとに、とても新しい何かを観ている気分になって、この頃は難解な映画を観る前より緊張して身構えてる。


http://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/


「愛情の搾取に断固として反対します!」と言った森山みくりさん、ルビッチ映画の女みたいだった。愛を獲得するために甲斐甲斐しく料理を作るような女が登場しないのがルビッチ映画の良いところ。写真は「愛情の搾取に断固として反対します!」と言い放たずとも存在が主張している「天使」のマレーネ・ディートリッヒさん。

2016-12-12

読みあげる



打ち合わせ帰り、表参道のキラキラ。12月。



濱口竜介監督の映画には、言葉が読みあげられるのを、じっと聞く時間があって、「ハッピーアワー」は小説、「親密さ」は手紙、そして昨日観た「何食わぬ顔」は国語辞典だった。電車で向かい合った男女の、女性が「なつ」から始まる言葉とその意味をつらつらと読みあげる。「なつ」から始まる言葉は、「なつ」から始まるというだけで、夏のあの、温度や湿気、雲の形を、言葉の中に内包していた。


ということを、今日は考えた。12月、今年の夏からも、次の夏からも距離がある。



2016-12-11

東中野



昨日、ちょっと長めの文章を書き終わり、読み直し、遠くに送り、眠って起きたら体重がガタッと減っていた。物書きダイエット?魂が一部、体から抜けていったのじゃよ…と言いたくなるような減りっぷり。


あれこれの息抜きに、濱口竜介監督特集が始まったポレポレ東中野へ。ポレポレに行くの、実に10年ぶりぐらいで、ポレポレ以外に東中野に用事があったことがないので、東中野も10年ぶりぐらいだった。駅のホームから見えるぐらい駅から近い映画館なので、迷うかも?の心配無用。そしてあまりに久しぶりのポレポレが、あまりに何も変わってなくて驚愕!何もかも記憶通り。変化の激しい東京で、こんなことってあるんだね…。



赤い布張りの椅子の、一部が酷使されてボロボロになって中身が飛び出ているものがあったな。変化はそれぐらい。




スケジュール的に今日しか観られる日がなく、「何食わぬ顔」「レア短篇集」と頑張って続けて観たのだけど、東大映画研究会時代に撮られたという「何食わぬ顔」、8mmで撮ったのをデジタル化した、なかなかワイルドな画質ながら、その後の「PASSION」「親密さ」「ハッピーアワー」に繋がる要素の原石がゴロッと詰まった1本で、描かれることはささやかながら、迫力を持ってこちらに迫ってきた。監督自身もけっこうセリフのある役柄で出演しており、必見。当たり前だけど、若い…!



https://hamaguchi.fictive.jp/

2016-12-10

BGM





ずっと机に向かう土曜。音楽がかかっていると集中できないので、基本的に無音なのだけど、返さなければならない「ニノチカ」があったので、BGM(Back Ground Movie)として、かけっぱなしにしていたのだけど、


面白くて、気がつけばスクリーンを観てしまい、BGMの意味なし。ルビッチ、BGMに向かない。


僕のことを好き?とプレイボーイに問われたニノチカ。


「容姿は不快ではないわ」






「白眼は澄んでるし、角膜も正常」


百戦錬磨のプレイボーイも、さすがにポカーン → しかし一瞬で己を取り戻し、






「君の角膜もステキだ」


…さすがのプレイボーイ・スキル!ヒューヒュー!こんなウィットしかないセリフ溢れる映画が流れる部屋で、どうやって机に向かえと?キー(歯ぎしり)!断腸の思いで停止ボタンを押し、ふてくされながら机の前に戻った。ふたたび無音。

2016-12-09

2016/12/9




帝国ホテルのアーケード案内図のデザインにキュンとする。今日も帰り、コンタクトレンズを買うためだけに銀座に行って、用事だけ済ませてさっさと帰ったけど、銀座のキラキラを存分に堪能できるほど心に隙間のない今年が恨めしい。


とはいえ、明日から始まるハマグチ、長い映画は無理だけど隙間を縫って幾つか観ようと思ってる。そのために睡眠時間が削られることも、やぶさかではない。生命維持のためには、食事より睡眠が必要な体質なのに、夏には、夜に弱い私を十数年ぶりにオールナイトに出向かせたハマグチ氏、恐るべし吸引力。


https://hamaguchi.fictive.jp/


同じ特集がかかる大阪のシネ・ヌーヴォでは、初日12/17の「ハッピーアワー」初日入場料は、全額、改修費用に充当されるらしい。良き応援の仕方だなぁ。


改修費用のクラウドファウンディングもしていて、


・「名画発掘シリーズ」1作品選択権+上映の際にはお名前を掲載し冠上映とする+5名様までご招待
シネ・ヌーヴォの人気シリーズ、名画発掘シリーズにふさわしい映画を1本選んでいただき、上映します。(要相談、上映可能な作品に限る)


https://motion-gallery.net/projects/cinenouveau_20th


というのに興味津々だったのだけど、大阪は遠い…と、ぼんやりしているうちに手頃な値段のは売り切れてしまっていた。都内の映画館が改修前に、同じ企画してくれたら、必ず参加していたと思う。

2016-12-08

Worth



銀座で観た、資生堂ギャラリーの展示が素晴らしかった。視覚化も言語化もしにくい香水の魅力を、テクノロジーも駆使して立体的に伝えることに成功している。




12/25まで
https://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/


最後の「ウィットと恋のかけひき」というエリア、「香水の魅力を引き出すインタラクティブなインスタレーション」とのこと、その場にいるだけで誰もがperfumeに見える一角であった。





フランス語で囁かれる香水のネーミング、漂うほのかな香り。意味深なネーミングは、ほとんどWorthというブランドの香水。ボトルに漂うルビッチ映画の小道具のような雰囲気とネーミングに興味を持って調べてみると、こんな記事に辿り着く。検索してもうまくヒットせず、唐突にamazonに商品があったりするのだけど、Worthは現在もあるのだろうか?



http://v.de.a.tsukuba-tech.ac.jp/connection/paris/reportage/01/worth1.html



5つの香水の名前を繋げると、1つの文章になるアイディア…素敵!宇宙モチーフ好きなので星のボトルに魅かれる。展示にあったのは20〜30年代の香水で、「軽はずみ」「あなたのもとへ」「再会の時」「いちずな願い」「さよならは言わない」…これだけで物語が出来そう。ルビッチならこれで映画を撮るだろうね!

2016-12-07

2016/12/7



日記のタイトルを考えるの面倒で、久しぶりに日付にしてみたら、もう12/7だなんて…ッ(声にならない叫び)!



先日、銀座は三州屋にて今年初の牡蠣フライを食し(軽く自慢)、お品書きを眺めたら…三つ葉おひたし、春菊のおしたし。おひたしとおしたしは何が違うのだろうか。同じ調理法なのだろうか。仏語のリエゾンのように、前にくる音によって、「お」の次が「し」になったり「ひ」になったりするめくるめく言語世界が江戸にはあって、何年住んでも余所者には変わりないから、私が知らないだけなのだろうか。


など、ぼんやり考えつつ12月のはじめを生きてるうちに、中国大陸で「君の名は」が封切られ、大ヒットしているとニュースで読んだ。友達は観たかしら?と久々に微信(we chat)をチェックしてみたら、「封切り日の第1回上映を観た!』と写真付きで載せていて、あなたそんなにミーハーだったっけ?と軽くツッコミながら読み、私は夏に観たヨーなどと反応してみた。



そして流れで読んだこちら、中国の公開事情について。興味深い。外国映画の本数に制限があるとは聞いていたけど、詳細は知らなかったので。


http://anond.hatelabo.jp/20161207001933



時折、異国の方に対して、あなたは何故その映画を観てるの?その日本のTV番組を知ってるの?と思うことがあって、よくあるのはヨーロッパの人々は、わりとダウンタウンのバラエティや「風雲!たけし城」をしっかり観ている、という意外性である。パリの友達の家に遊びに行って、これが面白いんだヨーと、延々とダウンタウンの何かをYoutubeで見せてもらったこともあった。そして笑い転がるパリジャン…。



中国の映画公開事情で思い出したのが、去年、映画祭で登壇した中国の若手映画監督が「マレーナ」を熱く語っていて、映画の中にも登場したのだけど、


こちらに書いた
http://cinemastudio28.blogspot.jp/2015/11/tiff2015.html



外国映画の本数が限られた中、「マレーナ」が狭き門をくぐり抜け、中国の青年たちの性を目覚めさせた…って興味深い。「君の名は」も意外な反応や、影響を受けた人々による新しい何かが生まれるとしたら、楽しみだな。

2016-12-06

近未来



昨日、ニュースをチェックしていて、!!!!!と思ったこちら(記事)、Amazon Dash Button。wifiでネットワークに繋がったボタンを、日用品の近くに置いて、なくなりかけたらボタンを押すだけで注文完了。


未来!未来が来たわ!未来が来たっておかしな日本語だわ!映画で観たような近未来!日用品ブランドの単位でボタンが何種類もあるのだけど、欲しいのがないな…と見ていたら、ウィルキンソンがあった!私の身体の1割はウィルキンソンの炭酸水でできています。実質無料だし、ものは試し、と早速ボタンを注文。そして届いた。あっという間に設定し、冷蔵庫の側面に設置。





ポチッと!鳥類のクチバシでも注文できた!しかし、月曜にボタンを注文→火曜にボタンを受け取りポチッ→炭酸水は水曜に届くらしくて、もうこれはAmazon(で注文するとヤマトのお兄さんが)Dash(して重い水を頑張って届けてくれる)Buttonの略だな。ご苦労さまです…。



そして今日はAmazon実店舗、Amazon Goの動画も眺め、




お客さんの動きが公然万引きにしか見えない…!セリフの少ない映画だと、俳優の仕草で心情を推察するものだけど、お店に入って支払いもせずモノをくすねて立ち去る行動、これまでは万引きという名前がついていたけど、これからは、万引きかしら?AmazonGoかしら?と、推察の選択肢が増えるのね…近未来!


未来っぽさが登場する映画が好物で、だからAmazonの発表にドキドキ反応しているのだけど、想像もつかないようなどっしりした未来SFより、普段そんなこと考えてない人が必要に迫られて一生懸命考えた地に足のついた近未来SFの方が好き。ゴダール「アルファヴィル」や、最近だとジャ・ジャンクー「山河ノスタルジア」の近未来パート。




iPhoneを巨大にして透明にしたような装置が出てきて、それで何でも賄ってるような場面があって、普段、未来表現のことなんて考えてなさそうなジャ・ジャンクーが一生懸命考えたところ、スマホを巨大に透明にすることぐらいしか思いつかなかった感が…愛おしい。Amazonのボタン、なんとなく同じカテゴリーにあって、日用品単位でボタンが要るとか、パッケージそのままのデザインとか、現実を引きずりつつちょっと近未来にコネクトしてみた感にキュンときた。

2016-12-05

収穫



本郷中央教会での上映会、開場から上映までの間、飲み物や古本を売るお店が東京のあちこちから出店するのをチェックするのが好き。去年もここで豪華装飾の古い映画館ばかり集めた写真集を買い、お気に入りになった。


今年は文庫4冊。中野の古本屋とのこと。私のために持ってきてくださったようなセレクション。片岡義男さんが原節子本を書いているとは知らなかった。読む時間は年明けまでないのだけど…。




そして表紙の2人の若さにおののいて思わず買ってしまった1997年のブルータス。「HANA-BI」がヴェネチアでグランプリを獲った時の。王家衛と自転車2人乗り。蒸せ返る90年代の香り。


開いたら最後、煙が立ち込めてもわもわもわ〜ん。と、竜宮城に連れて行かれそう。恐る恐る…




生意気そうな表情の是枝監督に、初々しい河瀬直美監督。若さに艶めいていて驚く。長くご活躍で素晴らしい。雑誌のタイムスリップ感たるや。古びないものも良いけど、ちゃんと古びるものもいいなぁ。

2016-12-04

HHH



師走、果たしてそんな隙間はありや?と、我が胸に問いながらも、東中野での濱口竜介監督特集、スケジュールが出た段階でプリントアウトし、手帳に挟んでる。


Happy Hamaguchi Hour!!!
HHH!!!

https://hamaguchi.fictive.jp/


本当は「ハッピーアワー」3回目!も、「親密さ」3回目!も観たいのだけど、さすがにそれは難しそうだから、これまで観ていないもの優先に、あらかじめ予定に組み込み、HHH!HHH!!と念仏のごとく唱えながら、映画までにあれとこれとそれを終わらせるんだッと向かっていきたい所存ッ!

2016-12-03

京のよすが



手土産にいただいた、亀末廣「京のよすが」、いただきながら打ち合わせ。甘みがくどくなくて私にも食べやすい。縁という字は、素敵な読み方がたくさんあるのね。えにし。ゆかり。よすが。




老舗の京菓子屋が舞台という「女の坂」(1960年/松竹)、いつか観てみよう。岡田茉莉子主演。

2016-12-02

恒例行事





毎年の恒例行事があると、目の前の雑事に追われがちな日々に季節感が生まれる。12月、本郷中央教会での上映会、10周年だそう。私は何回参加したかな?と数えてみて、たぶん6回目。去年は根津教会だったけど、今年は本拠地・本郷中央教会に戻ってきた。



今年はバスター・キートン!
http://mie7thheaven.tumblr.com/post/151682622136



観終わって、やっぱり…キートン好き!チャップリンよりキートン派!と、しみじみ噛みしめながら、



帰り道、東大本郷キャンパスの銀杏の具合を見に行く。






教会から銀杏偵察の流れも、恒例ルート。どちらも旧い建物揃いの帝都っぽさ、平成の世にいることをしばし忘れる。

2016-12-01

子供たちの時間



遠くにいる人と、あるイメージ共有のためにこれを見てもらうのはどうだろう…と、久しぶりに日仏の映画監督の往復書簡を読む(こちら)。しばらく読まないうちに幾つか更新されている。映画をつくるためのやりとり。


その中にトリュフォーの言葉があった。


“ときどき幾つかの映画で子供たちはシナリオによって裏切られる。それは子供たちに詩的なもの、オブジェ、ときには動物を付け加えるからです。私は詩的なものは子供の映画に必要ないと思います。子供たちは自動的に詩を連れてくる。詩は子供自身から自然に生まれます。だから他のエレメントは必要ないと思います。例えば子供が皿を洗っているシーンがあるとして、それはその子がドレスを着て、モーツァルトを聴いて、庭で花を摘んでいることよりも詩的だと思います。” — フランソワ・トリュフォー


“Il arrive que dans certains films l’enfant soit trahi par un vice de forme du scénario, c’est à dire qu’on l’escamote au profit d’un élément jugé poétique d’emblée, un objet, parfois un animal. Les enfants amenant avec eux automatiquement la poésie, je crois qu’il faut éviter d’introduire des éléments poétiques dans un film d’enfants, en sorte que la poésie naisse d’elle-même, comme de surcroît… Pour être plus concret, je trouve davantage de poésie dans une séquence qui montrera un enfant en train d’essuyer la vaisselle que dans tel autre où le même enfant en costume cueillera des fleurs dans un jardin sur une musique de Mozart.” François Truffaut



見知らぬ方に送ったシネマレターで、「トリュフォーの思春期」を、子供が登場する映画の中で、最も自分の子供時代を思い出させる1本としてオススメした。「この映画は、物語はあってないようなもので、子供たちの時間をスケッチしたものです」と説明したように思うけど、物語ではなくスケッチ、というトリュフォーの描き方、視点の置き方こそ好きな理由だと思う、と続けて書こうとして省略した。引用されたこのトリュフォーの言葉、実際そんな映画を撮っているところも素晴らしい。当たり前ながら、考えがそっくり作品に表れている、というか。



映画は「トリュフォーの思春期」という邦題がつき、原題は「l’argent de poche」(ポケットマネー=「おこづかい」)、そしてトリュフォーによる小説とシナリオの中間のような本を山田宏一さんが翻訳し、和田誠さんがイラストを添えた本(豪華!)は「子供たちの時間」というタイトルで、どのタイトルも見事で、優しいなぁ。私の本棚にあるささやかな宝物。