2014年、東京でどれだけ映画館が閉館したのだろう…。最期を看取る気分で閉館プログラムに行ったのは、吉祥寺バウスシアター、新橋文化劇場、そして新宿ミラノ座。大晦日に閉館するミラノ座、LAST SHOWとして素晴らしいプログラムが組まれてる。これぞミラノ座の矜持!というラインナップ。ほとんどが35mmで上映されるのも、昭和の象徴のような映画館の最期に相応しい。
引っ越してから足が遠くなった新宿、東口の階段を上がり歌舞伎町に向かって歩くと、見慣れない高層ビルが建設中。来年4月にオープンするTOHOシネマズ新宿は都内最大級IMAXシアター。これまでIMAXで観たくても都心から離れなきゃいけなかった(…はず)だけど、新宿で観られるのは嬉しいな。高層なのは上階はホテルが入るかららしい。コマ劇の跡地。
エヴァや銀河鉄道999が混み混みで行列が西武新宿線の改札あたりまで届いたと聞いたので、早めを心がけて到着するとアニメほどではないにせよ、「アラビアのロレンス」も大行列。それでも開場してみると6割ほどの埋まり具合で、ミラノ座の収容人数に改めて感心。開演時には9割がた埋まっていた。
上映前のスクリーンでは開館から現在までの外観の変化と、主な上映作品のスライドが流れてる。視界に映るだけで、あぁ歌舞伎町にいるなぁ。って自分の現在地を確認する、シンボルみたいな建物だった。久しぶりに見ると、外観も中もこんなに昭和っぽかったっけ?さっき通ってきた建設中のTOHOシネマズとのコントラスト、見られるのは今のうち。
インターミッションを挟んで堂々4時間の上映は、大画面の映画館でしか味わえないものだった。今、東京で一番正しい500円の使い道。
どの街にも同じチェーン店ができて、どの街にいても東京みたい。と思うけど、人、人、人のこういう風景の一部になっている時が一番、これは東京でしか味わえないな、とも思う。人の多さこそ東京。そして私の行動範囲で今年一番、人の多さ、東京らしさを感じたのが、こういった映画館の閉館イベント。という事実が、皮肉なことのようにも思える。どんな大作の封切りでも、これほど混んではいなかった。大画面で堪能した「アラビアのロレンス」の感想は後日。大晦日までに、あと1回行きたいなぁ。