滲む京都の夕暮れ。街の重心が低い。
本日も大人ガチャのメールを何通かいただき、本当に皆さん、観たい映画、あるいはこういう映画は苦手…という嗜好がひとりずつ違って興味深い。私は戦争映画とメロドラマが苦手。70年代以降はファッションが好みじゃなくてあまり観ない。俳優ではショーン・ペンが苦手で彼の映画はほとんど観ていない。あれが嫌い、これが嫌いという共通項で他者と連帯するのは好きじゃないけど、自分の嫌いを知っておくのは大事よね。美意識は嫌悪感の集積である、という言葉は伊丹十三の本で知った気がするけど、彼自身の言葉だったかどうか。
ベネチア映画祭が始まるようで、コンペのラインナップを眺める。審査委員長はサム・メンデス(好き)!
http://www.cinematoday.jp/page/A0005119?p=1
・トム・フォード、「シングルマン」だけ撮って終わるかと思ったら新作!
・ナタリー・ポートマンがジャッキーを演じる映画は是非観たい。ファッションにも期待。
・「セッション」の監督、次はどういうのをとるのだろう、と思っていたらミュージカル。しかもエマ・ストーン(好き!)主演!
・映画好きならみんな当然好きだろうと思われてそうなクストリッツァやヴェンダース、私はさほど好きではない。その下にあるテレンス・マリックは好き。
・フランソワ・オゾン新作はクラシカルな感じなのね…と読んでいると、ルビッチ「私の殺した男」のリメイクとか!ルビッチの映画はどれも、最も遠回しな方法を選んで描く反戦映画なのではないか、と思っているのだけど、この映画はルビッチにしては珍しくストレートな反戦映画だった。そしてそんな映画をひたすら楽しい「君とひととき」や「極楽特急」と同じ年に撮っているのだ。しかし来世、映画監督になったとしても、絶対ルビッチのリメイクなんてしたくない。撮るとしてもボグダノヴィッチのようにオマージュに留めておきたい。オゾン、大胆だな…。
ああ、有名な俳優、監督の映画でなくても、名前も知らなかった監督の映画もどれもどれも面白そう!始まったら現地メディアの星取表をチェックしつつ、華やかな写真や各賞発表を追いかけ、そして日本で観られますように!と祈るのがその場に行けない海外の映画祭を私なりに楽しむ方法。