CINEMA STUDIO28

2016-08-27

Just in time



近所にしか出かけなかったけど、ぼんやりPCの前に座っていると、あれこれ頭が整理され次のステップが見えてくるような日だった。また台風がくるようで風が強い。


Fire TV Stickの楽しみ方。わざわざレンタルで借りたりはしないけど、ずっと好きな映画を気軽に流しっぱなしにできる。部屋にいる時、TVはうるさくてつけっぱなしにできず、音楽も邪魔だな、と思うことが多くて無音状態が多いのだけど、映画を微かな音量で流しっぱなし、というのは私にすごく合ってる。あ!という場面に差し掛かったらちゃんと観たりして。


「Before sunset」がプライムで入っていたので流しっぱなしにしていたら、やはり後半はしばし観入るしかなかった。パリを歩く2人が、空港に行くまでの1時間と少しの短さでは、その場所をそのペースで全部まわるのは無理よ、という非効率な移動距離で、改めて映画は虚構と思う。Le pure cafe、近所の人しか行かなさそうな場所にあり、食事も美味しいカフェだった。パリだからといってcafe de floreやles deux magotsに連れて行かず、パリに暮らす自分の生活テリトリーにジェシーを連れ込むあたり、セリーヌのしたたかさかもしれない。



公開当時、周囲では、最後ジェシー(イーサン・ホーク)が飛行機に乗ったか乗らなかったかの小さな論争があり、乗った派が多数だったけど、私は頑として乗らなかった派だった。ジェシーのような人生にロマンティックが必要な男は、いくら妻子がアメリカにいようと、あっさり現実を捨てるだろう。たとえ現実では、そうは言っても家庭に戻る男性が多数だとしても、これは映画で虚構だから、飛行機には乗らないと思うの。…という推測は、まさかあると思わなかった第3作で答え合わせに至った。




改めて観ていると、部屋でセリーヌが歌った後に流れるニーナ・シモンの歌詞が2人の行く末を暗示している。ジェシーがランダムに選んだCDから、セリーヌお気に入りの、意味ありげな1曲が流れる、偶然パズルのピースがカチッとはまるような、運命めいた流れも素晴らしい。



Now you're here
now I know just where I'm going
No more doubt or fear I've found my way






音楽に映画の終わりを担わせる映画はたくさんあれど、この映画は珠玉の成功例。


Your love came just in time
you found me just in time
And changed my lonely nights that lucky day