東華菜館、続き。外で食事をするのが好きで、ロメールのヴァカンスものなど好きなのは、外で食事する場面が多いからかな、とも思う。東華菜館の外食事は、1階の納涼床(夏の京都の風物詩!)そして5階のテラス、屋上のビアガーデンと選択肢が多く、素晴らしいのは外だからといって追加で料金がかからず、屋内で食べるのと同一料金。通りかかって納涼床が空いていれば、気軽に入って、簡単な一皿とビールという使い方も可能だなんて…良心的。
我々は5階テラスの角の席で、遠くに京都タワーの先が見え、見下ろすと鴨川、南座の夜景。
料理はオーソドックスな北京料理。といっても本場ぽさは薄めで日本人の口に合う、優しい味付け。老若男女、美味しく食べられる味。テラスで風に吹かれ、ひたすら映画の細かい話ばかりしていたような…これから行ってみたい場所、何故かポルトガルで一致し、私の行きたい理由はオリヴェイラが好きだから、と言ったら、オリヴェイラで何を観た?という話に流れるなど。
閉店時間までしっかり楽しみ、そして老舗、21時半と清い時間に閉まるのが良い。あのエレベーターを降り、出口へ。
振り返ると、蛸のレリーフ。
屋上も行ってみたいし、人数別にいくつかあるという個室も気になる。いろんな用途で気軽にまた訪れてみたいレストランでの素敵な夜だった。この日、時間を潰す必要があってフィルムシアターで「今ひとたびの」という1947年の日本映画を観て、音声も聴き取りにくいバチバチのフィルムだったと考えると、20年代の建築がこうやって現役、というのは奇跡のように思えてくる。