CINEMA STUDIO28

2016-08-19

長さの法則




出雲、因幡の白うさぎにちなんで、あちらにもうさぎ、こちらにもうさぎのうさぎ天国。しかし出雲大社の参道に唐突にいた鳥。これも何か謂れがあるのかな。


今週3日しか働いていないのに、身体を労働に慣らす時間もなく頭を激しく消耗させる内容だったせいかヘロヘロしている。免疫力低下のバロメーターであるところの口内炎も多発していて、きちんと身体を休めねば。


濱口竜介監督「カメラの前で演じること」…これも「ハッピーアワー」のメイキング本だけども…の巻末にある、フィルモグラフィを監督自身が解説しているページ、オールナイトで観た「PASSION」の解説で、興味深い記述を見つけた。



「ちなみに手前勝手な法則がある。前作は三角関係を撮って90分になった。90分あれば3人の関係は撮れる。そこにひとが加わると、ひとりあたり15分ずつ映画は長くなってゆく…。17人全員を描きたいと思った『ハッピーアワー』が300分を越えるのも必然的なことだったのだ。」



「PASSION」は5人の物語で、90分(3人)+15分×2人=120分。実際は115分らしいので、ほぼ濱口法則どおりなのだなぁ。面白い!



三角関係といえば!のルビッチに当てはめてみよう。「生活の設計」91分、「天使」91分、「極楽特急」82分。三角関係だから90分前後。そして「ニノチカ」はグレタ・ガルボとメルヴィン・ダグラスの2人の関係で2人×30分、そしてロシアの3人組×15分とすれば法則上合計は105分で、実際は110分!濱口法則、ルビッチにもだいたい当てはまるのではないか。好みと言えばそれまでだけど、この2人の監督については、描かれるものと映画の長さに過不足がなく、見事にちょうどいいなぁ!と思っている。



男女2人のメロドラマを2時間きっちり見せられると、早く終わってくれないかなぁ…と思ってしまうのは、本来60分で済みそうなものを倍の時間に引きのばして見せられてるような気になるせいか。単にそういうの観るの苦手なせいか。私の好みか、人間心理がそもそもそういうものなのか、映画の長さに関する濱口法則、頭の片隅にメモして、これから映画の長さにも注意してみよう。