CINEMA STUDIO28

2016-01-07

TIFF2015 家族の映画

 
 
昨日午後からの発熱は、朝も下がりきらず仕事始めから3日目にして病欠。仕事がまだ本格的に立ち上がってないので無理はせず。今年は健康第一で、ちょっとこれは…という予感の時は無理せず休もうと思っておる。年末年始の名残で家の中にふんだんに食べ物があって困らなかったけど、どうしてもアイスクリームとヨーグルトを食べたくなり、さっと着替えて買いに行くと、キャベツが謎の破格値で思わず買ってしまうと、レジ係の方が、今日はありえないほどキャベツが安いですね!うちは2人だけど1玉どうやって食べようかしら。当分はキャベツ料理ばっかりね!と話しながらの会計で、なんだか可笑しかった。ここ数日、ロールキャベツを食べたい予感がしていたのは、予知夢のような何かだったのですか。
 
 
東京国際映画祭で観た映画について、残り2本分を記録しておかねば。最終日の前日の夜、1日4本観る日の最後の1本は、チェコ映画「家族の映画」。この日は小栗康平監督→ホン・サンス新作→大自然もの、と観た後だったので、体力的にもう壮大壮絶な映画の入る余地は身体にありません…というヨレヨレしたテンションで、最後がこれで良かった。それでいてさすがコンペ作の見応えもあった。
 
 
チェコに暮らす裕福と思われる家族、両親が念願だったヴァカンスに犬を連れて出かけ、不在の間、姉と弟のみの暮らしになる。当然、両親不在の家は同級生たちの溜まり場になり、思春期らしいあれこれも勃発し、その頃ヴァカンスを過ごす両親は災害に巻き込まれつつも九死に一生を得る。しかし犬は行方不明のままで…。作品解説はこちら。
 
 
まず犬!犬の演技!監督によると、同じ犬種の犬を3匹使って撮ったとのことで、犬の集中力が続く時間が限られているからだとか。最後のショットを犬の演技の成功に委ねるというなかなかリスキーな演出ながら、セリフ?の前の溜めといい、見事な演技だったわ。この映画はいっけん普通の家族を描きながら、自然災害によって家族の秘密が明らかになる。そして常に誰かが不在、親のヴァカンス中、親の世界に子供は不在で、子供にとって逆も然り、犬は取り残されて彷徨う…と、家族が集合しながら抱える問題を解決していくわけではなく、それぞれの場所でそれぞれの問題を引き受けながら、小さな共同体が不均衡も取り込みながら維持される、ということを描いていた。こんな映画のタイトルが「家族の映画」とシンプルでストレートなのがいいね。
 
 
 
軽く観られたわりに余韻は長く続いたので、できればもう一度観たいぐらいだけど、公開はされないのだろうなぁ。お姉ちゃん役の女優さんが来日していて、エマ・ストーンとズーイー・デシャネルを合わせたようなコケティッシュな魅力のある人で目が釘付けに。リトルブラックドレスに厚底のスニーカー、個性的なレギンスを合わせててとても似合っていた。