残暑厳しいながら、もう心は夏服にあらず、新しい洋服が欲しくなる。ちょっといいな、と思ってるジャガードのワンピース、あの靴を履いて、パールをあわせ、メイクは濃いめ。など考えていると、それはポーラ・ネグリではないのか、と思い至る。
ポーラ・ネグリ、サイレント時代の女優。彼女を知ったのはルビッチ「山猫リュシカ(1921)」で、人間と山猫の合いの子のようなワイルドな格好だったから、あれこれ他の映画の画像を眺めて、20年代の女っぷりにうっとり。
wikipediaをチェックすると、
特に1926年、ルドルフ・ヴァレンティノが亡くなった後の彼女の振る舞いはメディアの注目となった。彼女はヴァレンティノと結婚する約束をしていたと明かし、彼の棺が列車でニューヨークからロサンゼルスまで運ばれるのについてゆき、列車が止まる度に写真家のためにポーズを取った。葬式では何度も失神、彼女の名前が綴られた大きなフラワー・アレンジメントをヴァレンティノの墓の上に置くように用意した。しかし多くのヴァレンティノの友人は、二人は結婚する予定などなかったと主張し、彼女の振る舞いは単なる売名行為だと非難した。
と、なかなか香ばしくて面白い。そして「サンセット大通り」の主役をビリー・ワイルダーからオファーされて断ったエピソードも知る。こういった、誰々にオファーしたが断られ…という制作エピソードを知ると、そのバージョンも観てみたかったな、と叶わぬことを思う。ポーラ・ネグリ版のサンセット大通りも観てみたかった。
画像で見るだけで、映画は「山猫リュシカ」しか観ていないので、ワイルドな格好をしていないポーラ・ネグリ映画にスクリーンで出会うチャンスがいつかありますように。