CINEMA STUDIO28

2016-09-10

LINE LIVE



夕方から身体を休めるために寝転んでいて、LINE LIVEで「君の名は。」の新海誠監督の特集番組があったので視聴。


絵コンテの段階で音楽も声もある程度、かたち作る制作スタイルとのことで、俳優が声を入れる前の、監督と奥様が声を入れたバージョンのものが流れた。新海誠監督、いい声。しかもムーミンの岸田今日子のように声色を変えて様々な役柄に対応可能。器用な人…。




特集番組が終わった後、過去作の「秒速5センチメートル」が引き続きLINE LIVEで放映され、調べてみると1時間ほどの中篇とのことで、そのまま視聴。


かつて一緒にいた転校生の男女がまた転校で離れることになり、第1部はふたりの手紙のやりとりから始まる。この映画がいつの映画なのか知らずに観ていたので、手紙やガラケー、登場する小道具が今じゃもう使われなさそうなものばかりで懐かしみを感じていたら、2007年の映画だった。確かにその頃はそんな生活だったかな。「君の名は。」の2016年の高校生たちはスマホを使い倒していた。私は手紙を書くことが好きなので、手紙が出てくる映画も好きで、最後まで観終わっても、第1部が好きだった。


山崎まさよしの曲が終始流れ、終盤は映画と音楽の関係が反転して、音楽のために映画がある状態になっており、そんな映画があまり好きではないこともあって(せっかく映画なのにもったいない、と思ってしまう)ちょっと残念だな、と思い、「君の名は。」の音楽の使い方でも同様に思ったのだけど、きっと監督の個性なのだろう。実写のような精緻な背景、気象現象、宇宙、すれ違う男女…まだ2本しか観ていないながら共通項が多く、小津といえば最後に娘が嫁ぐ…とか、ルビッチといえば三角関係…のような、自分の主題が強くある人なのかな、と思った。


しかし今週は「君の名は。」と「秒速5センチメートル」で私の脆弱なセンチメンタル、エモーショナル受容キャパシティを遥かに超えてしまったので、新海作品をさらに溯って観るとしたら、しばらくブランクを要する。今は口直しにヤクザ映画を欲している。