CINEMA STUDIO28

2016-09-19

なら国際映画祭/オープニング



なら国際映画祭、オープニング続き。河瀬直美監督の挨拶。


同郷なのに!と意外がられるのだけど、河瀬監督の映画、ほとんどちゃんと観たことなく、長らく縁がない。挨拶を聞きながら、ほとんど初めて監督をちゃんと視界に捉えたな…と、ヴィクトル・エリセのエピソードなど盛り込んだ内容ながら、途中から空がどんどん暗くなることに見惚れてしまって、挨拶が頭に入っていない。縁がないってこういうことなのかしら。


その後の知事の挨拶は、阿倍仲麻呂の和歌を盛り込んだいかにも奈良らしい内容だったのだけど、その頃まさに空がドラマティックすぎて、知事の話は耳に残らず。空よ!奈良はスピリチュアルな場所で…と連呼されていたように思うのだけど、スピリチュアルって単語は公の場所で公人が使うと違和感しか残らないのは何故かしら。日本語で他にもっと相応しい言葉があるのではないか。と、空を眺めながら考えていた。




上映作品紹介の頃には、空もこんな色に!野外上映に強い憧れがあって、なら国際映画祭に来てみたいと思った理由も、オープニングが野外ということもあった。私の席からは見えなかったけど、春日野園地は東大寺に隣接しているので、席によっては大仏殿の屋根も見えるはず。




みなさんで鏡割りの図。ゲストが豪華。斎藤工さん目当てのマダムの熱気よ。メジャーな俳優の影響力って凄い…。藤竜也さんの登場時も黄色い声があがって、長い間活躍してる俳優は違うね!という貫禄。私が嬉しかったのは三上博史さん。今回はコンペの審査委員長を務めるらしく、即興でコメントを考えたというシンプルな挨拶が謙虚な映画愛に溢れていた。しばらく前に三上博史さんが「アナザースカイ」でローマを訪れる回を観て、チネチッタ(撮影所)を訪れたり、閉館する映画館に住み着いて抵抗する人と語り合ったり、憧れの俳優テレンス・スタンプに会いに行ったり…と、訪れる先の珍しさや、映画の中の人である三上博史さんの情熱が伝わる、映画好きとして見ごたえのある回で、あれを観て以来、素敵な俳優さんなのだな!と思っている。



オープニングの様子はこちらに
http://eiga.com/news/20160917/18/


照明が消え、いよいよ映画の上映が始まった。