大晦日だから朝食はケーキ。昨日、近江屋洋菓子店 本郷店に買いに行った。この苺ショート、小さいながらホール状、完璧な形をしている、と、特に断面を見ると思う。
谷中銀座あたりに買い物に行ったら、さすがに今日は地元の住民しかいなかった。帰宅したらLAから小包が届いてて、LAの映画館の月間スケジュール、笑っちゃうデザインの小津Tシャツ、映画雑誌、そしてトートバッグなど。ゴダール本人や映画を描いたイラスト。タイトルが仏語と英語が混じってて、「女と男のいる舗道(vivre sa vie)」は「My life to live」だった。来年、フランス映画祭、アンスティテュ・フランセに映画を観に行く時、その他フランス映画を観に行く時のバッグは迷わずこれだな。ありがとうございました!
2015年映画納めは、ほとんどレンタル出回ってないけど、何故か文京区立図書館にあるエリック・ロメール「冬物語」。年末から数週間の物語で、ラストシーンは大晦日。彷徨いながら己の直感を何より信じた主人公に大晦日に彼女が望んだ至福が訪れる。ぼんやり観ていたのに、きっちり最後はスクリーンに映る人たちと同じく、嬉し泣きしちゃった。これまで観た映画の数だけヒロインはいるわけだけど、この映画の主人公が一番自分に似ていて、思考回路、行動パターン、まったく他人とは思えない。フェリシーはほとんど私です。
そしてロメールがこだわって何度か映画に登場する「パスカルの賭け」を下敷きにした物語でもある。
「次の点をよく考えてみよう。神は存在するのか、それとも存在しないのか。そこで私たちはどちらを選ぶだろう。理性はこの点について何も決められない。無限の混沌が私たちを隔てている。その無限の距離の果てで、ひとつの賭けがなされていて、コイン投げがおこなわれる。そこで得る物とは何か?理性によっては、どちらかに決められないし、理性によっては、どちらかを禁じることもできない。」
「次の二つの場合を比べてみよう。勝てばすべてを得る。そして負けても何も失わない。ならば、ためらうことなく、神が存在するほうに賭けよ。」
パスカル「パンセ」より「決心の問題(probleme des partis)
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2015年、年間ベストについては考えたので1月に書きます。
どの街の皆様も、よいお年をお迎えください。2016年も素晴らしい映画との出会いを期待しながら。来年もどうぞよろしくお願いいたします。