昨日、アイロンがけしながら観た「キングスマン」、コリン・ファース主演のスパイものという前知識しかなく見始め、007のようなシリアススパイものかと思っていたらテンションの軽さに驚き、「キック・アス」の監督とようやく知って納得した。物語もさることながら、映像に深みがなくてテレビドラマみたい。映画館じゃなく家のスクリーンで観たからかしら。
サヴィル・ローの高級テーラー「キングスマン」が実は世界最強のスパイ機関…という設定は意外性だけではなく、美術も楽しめ、コリン・ファースってこんなに敏捷に動ける人なのだね、という驚きの後、激しいアクションの後も乱れないスーツの仕立ての良さよ。終盤の3分の1のスクリーンを支配するプティ・コリン・ファース的存在のタロン・エガートンという新人俳優が、緩めの服装からスーツに着替える瞬間はpopeyeの「大人になったら」特集を彷彿とさせ、あと10年もすれば何代目かのジェームズ・ボンド候補になるのではないかしらん。それともこんな軽いスパイ映画に出た俳優は、それだけでボンド・リストから外れてしまうのだろうか。
去年はスパイものの当たり年だったらしく、未見の「コードネームU.N.C.L.E」も近々観る予定。