何故か寝つきが格段に良くなってしまい、本を抱えてベッドに入ってもすぐ眠ってしまって、ここのところ図書館の期限内に読み終わらず、途中まで読み、気になって買うか、またしぶとく図書館に予約するかという読書を繰り返している。2度目の挑戦だった濱口監督の本も面白そうなサブテキストに至る直前まで読んでタイムアウト、いったん返却してしまった。今度こそ買おうかな。映画の本って、そこにあるうちに捕獲しておかないとあっという間に絶版になりがち。
今は「アンドレ・バザン 映画を信じた男」(野崎歓 著)を読んでいるのだけど、文章のボリュームは控えめながら、文体にうっとりしすぎて読み進まず、またもや期限に間に合いそうもない。これも買おうかしらね。去年新訳が出たバザンの「映画とは何か」の前菜的な読書にしようと思っている。バザンについて。
「緻密な分析を繰り広げながら、ときおり彼は思いもよらない素朴さを示してわれわれを驚かせる。何よりも、彼の思想をつらぬくリアリズム論の根底には、映画を信じ、世界を信じたいというナイーヴなまでの願いが脈打っている。スクリーンに向けられる彼の瞳は、そこに世界が映し出されているという単純きわまりない事実に対する驚きによっていつでも大きく見開かれているかのようだ。」
濱口監督の本もそうだけど、良書の香りがする本は、まえがきからもう素敵。