帰宅したら川島雄三愛に溢れるあまり、髪型まで真似したという人から手紙が届いていた。ありがとうございます。私も「サヨナラだけが人生だ」、図書館で予約してみたよ(京都からの熱風に煽られながら)。
以下、川島雄三について。
・大阪ものではないけれど、my best Y.K.(Yuzo Kawashima)は「女は二度生まれる」。外国映画・日本映画取り混ぜたオールタイムベスト10に入るかも?というぐらい好き。きっと、一人の女性が男性遍歴を重ねながら変化していく物語が好きなのだと思う。溝口では「西鶴一代女」が一番好きだし、「河口」を珍品と言い棄てられないのも、そんな理由だろうか。いろんな人が撮ったそんな女たちの物語の中で「女は二度生まれる」は、若尾文子が徐々に身軽になって(身包み剥がされて)いくのがとりわけ素晴らしい。
・大阪ものではないけれど、「雁の寺」(京都もの)の舞台になったお寺(瑞春院)が相国寺の中にあるということ、偶然前を通りかかって知ったのは数年前。中学時代、生物の授業で植物の写生に行った界隈で、無邪気に絵を描く少女時代の私の傍で、あんな生臭い物語がッ!と、虚実入り混じった妄想を繰り広げた。
・大阪ものではないけれど、川島雄三って音楽の趣味がいいなぁといつも思っていて、何より、あっ!と思ったのは、「洲崎パラダイス・赤信号」の、これぞ見せ場という蕎麦屋での男女の再会の場面で、ラジオから不意に流れてくる音楽が♩かわいいかっわいい魚屋さん♩、あの場面に脳天気に流れる童謡を聴いた時、あたい、一生、雄三に着いて行くわ!と忠誠を誓ったものよ。さらに最高なことに蕎麦屋の娘が芦川いずみ…!音楽だけでなく、衣装(特に着物)の趣味もいい。監督もとってもお洒落な人だったのよね。
大阪ものの記憶が薄いから、観なければ。そして写真が内容に関係なさすぎる…と思ったけれど、フリーダ・カーロも川島雄三も病と共にあった短く太い人生…ということかな(こじつけ)。