別の文章を書きながら、ちらちら思い出していたのだけど、2年前、フランス映画祭で「ローラ」が上映された時の、秦早穂子さんのトークが素晴らしかった。秦さんの貴重なお話を、聴き手がうまく引き出せていない気がしたけれども。ジャック・ドゥミの映画は、衣装が音楽が、とノスタルジックな面ばかり取り上げられるけども、そんな単純な男じゃないんやで。という怒りが軽く滲んだトークだったな。
フランスは・・というより、ヨーロッパ映画の系譜というか態度のひとつに、直接的に戦争を描かない反戦映画があって、「天井桟敷の人々」しかり、「かくも長き不在」しかり、私の好きな映画はそのような態度の映画が多い。ルビッチの映画の大半もその系譜にきっとある。