CINEMA STUDIO28

2015-06-09

To be or not to be

 
 
ルビッチ活動2本目、特集初日は「淑女超特急」と「生きるべきか死ぬべきか」の2本立て。これは、淑女…→生きる…の順番に観ないと、どんな映画でも、生きる…の後に観ると、粗が目立ってしまうのではないかしら。生きる…があまりに完璧すぎて。
 
 
しかしこの日、これから数週間、観ようと思えば毎日ルビッチが観られる、という想像を超えた幸せに心身が追いつかず、「生きるべきか死ぬべきか」いまいち集中して観られなかった。この映画を集中して観られないなんて、映画に非なんてもちろんなく、すみません!私が悪いんです!って謝りたくなる。誰に?スクリーンで観るのは確か2度目で、1度目で熱狂・熱中して観たから筋書きは覚えてるのだけど。
 
 
この場面でキャロル・ロンバートが着ている裾にファーがあしらわれたドレス、古いポスターではこの場面が使われていることが多く、絵看板のようなタッチの絵のポスターでは、このドレス、朱赤っぽい色だったり、ブルーグレーのような色だったり、描いた人が、モノクロの映画を観て、色を想像して描いたら人それぞれ想像した色が違った、ということなのだろうか。私はブルーグレーかな、と思うのだけど、正解は何色なのだろう。
 
 
 
 
ということを考えながら、京都でKyotographieという写真イベントの一部の展示場所を偶然通りかかり、虎屋 京都ギャラリーで観た「サムライの残像」という展示が面白かった。フランス国立ギメ東洋美術館の写真コレクション、幕末から明治にかけての消えゆくサムライの姿。その時期だから当然モノクロなのだけど、一部の写真は写真の上から着色してあり、写真の色褪せ具合と、絵の具の退色具合が良くて、着色していない写真群より熱心に観た。この色、史実に忠実なのだろうか、それとも後から想像で色を選んだのだろうか。モノクロ映画の絵ポスターにも通じるところがあって、モノクロ映画の楽しさのひとつは、色を好きに、自分好みに想像できることだな、と思った。塗り絵感覚。