フィルメックスが始まるまでに、東京国際映画祭で観た映画について書き終わりたいのだけど、いかんせん体力が足りない。映画祭直前の数日は体力温存のためにお出かけは極力少なめに、家でのんびりしていたのだけど、その時に観た映画。
amazonプライムビデオ、もともとプライム会員だから月会費も要らないし、昔の邦画が豊富でいいわぁ…と思っていたのだけど、いつでも観られるものは案外観ないもので、有料のほうはどんなラインナップなのかな…?と出来心で覗いてみたら、さすがにそちらはさらに充実していた。
あ!これあるのか…!と驚いて、有料ながら数百円払って観たのが「夜は楽しく」。1959年、マイケル・ゴードン監督のロマコメ。ドリス・デイとロック・ハドソンの初共演映画。
想像以上に良かった…!オープニングから、それぞれのベッドに寝転んで、枕をお互い投げ合う映像。シネスコ画面で、色も綺麗、ドリス・デイの衣装も素敵で…これ、大画面で観たいなぁ。リバイバルしてほしい…!
ドリス・デイは売れっ子インテリアデザイナー。ロック・ハドソンは作曲家。2人は会ったことがないものの、同じ電話回線を2人でシェアしているという関係。信じられないけど、電話の普及当初ってこんな感じだったのかな。ドリス・デイが仕事の電話も受けなければいけないのに、女好きのロック・ハドソンがいつも女と長電話してるので電話を使えない。同じ回線であればどちらかが話していれば、もうどちらかはその内容を聞けるらしく、イライラしたドリス・デイがいい加減に電話切ってよ!と割り込んだり。プライバシーなんてあったもんじゃないね…。
やがて2人は対面することになり、お互いを気に入りデートするものの、男のほうはプレイボーイであることがばれてしまうので正体を明かせない…という展開。
50年代終わりのカラフルなアメリカが目に楽しい、ドリス・デイの歌も聴ける…ということに加え、脚本が素晴らしい。筋書きはシンプルなロマコメながら、セリフにウィットが効いていて。ドリス・デイは仕事を追いかけているうちに当時としては珍しい30代後半の未婚の女性になった…という設定なのだけど、ロック・ハドソンが彼女を欲求不満、とからかう時の表現が「bedroom problem」だったりして。助演陣も確かな演技の俳優揃いで、この映画…ただの明るく可愛いロマコメではないな…と調べてみたら、オスカーにもたくさんノミネートされて、脚本賞をとったとのこと。私はロマコメは映画の花である。と、大好きなのだけど、周りにロマコメアレルギーの人が多く、そんな人々にも薦められるロマコメを目を光らせて発掘しているのだけど、この映画はそんな1本かもしれない。この映画を皮切りに、何本か作られた主演2人の共演映画(もちろんロマコメ)も続けて観てみたい…!