CINEMA STUDIO28

2015-07-22

映画のセットのような

 
 
北京。前門界隈から王府井へ行くべく、天安門広場を横切ることにする。私が滞在した週末、北京は40度の暑さで、ちょうど広場を歩いていたのは14時頃だったから、1日で一番暑い時間。歩くのが速い私でも横断するのに20分はかかる広場、広すぎて遮るものが何もない…。目玉焼きがすぐに焼けそう。公安や解放軍の人々も、さすがに傘の下に立っていた。天安門は改修中だった。
 
 
 
 
天安門広場に向かう地下道では、崔健の「一无所有」を歌ってる青年がいた。天安門事件の時、学生たちがみんなで歌ったことで有名な歌。この青年、声もちょっと崔健に似ていたな。そして私は何故かかつて北京で、崔健と全聚德(中国で最も有名な北京ダックの老舗)で食事したことがある。生きているといろんな経験をするもの。ロウ・イエの「天安門、恋人たち」でも、歌う場面があったような記憶が。


軽く熱中症になりかけ、王府井で目についたショッピングモールに涼みに入り、ついでに手土産を買おうと目当ての店を探そうとしたらなくて、かわりに目についた台湾系と思われるテイクアウトの甘味屋に吸い込まれ、マンゴーかき氷を注文し、ん?ちょっと高いな?と思っていたら3人前ほどありそうなボリュームで手渡され、どこで食べろと…?と一瞬迷って、一度戻るつもりだったのでさっと地下鉄に乗って宿に戻り、窓辺でかき氷を食べた。たぶんこの時、かき氷をたくさん食べてなければ、体調が悪化していたと思われる。かき氷、おやつでもあり薬でもある。ありがたや…。


涼んで回復したのでまた出かけ、夕食前に景山公園へ。景山は故宮(紫禁城)のすぐ北にある50mほどの小さな人工の山。故宮に悪い気が入るのを遮断するために作られた山だという。
 
 
すぐ北にあって小高いから、登って見下ろすと…この景色。今回は故宮に行く予定がないから(これまで何回行ったかわからないし)、せめて上から眺めるだけでも見ておこうと。天安門と故宮、私にとって北京に来たな!と実感する2大スポット。
 
 
 
 
行きの飛行機でダウンロードしておいた「グリーン・デスティニー」を半分まで観ながら、中国の古い建物が俯瞰で映されるショットを観るたびに、ああ、故宮みたい…と思っていたので映画の世界とちょっとシンクロ。
 
 
 
 
北京の、夕陽を眺めるベストスポットでもあるのだけど、この日は空気の具合が悪く、綺麗には見えなかった。中国で観る夕陽は日本で観るよりオレンジが強く見えるのは何故。
 
 
 
 
日が沈んだ…というより、霞?(空気の塵?)に紛れて夕陽は消えてしまった。あちこちから「没有了」という声が聞こえてきたので、景山を降りて、タクシーに乗り、夕食の約束に。