北京、当代MOMAにある書店・Kubrickで買った映画本、2冊。どれもビニールカバーがかけられていて中身を見ることができなかったので、タイトルやデザイン、帯を読んで選ぶしかない。
1冊目は「我的天堂電影院」。天堂は天国、パラダイスという意味。電影院は映画館のこと。中国の著名な映画人たちが、心の中にある天国のような映画館について語る本。まだきちんと読み始めていないけど、過去の映画館の思い出を語る人もいれば、クラシック映画をかける映画館を開くことが夢…もちろん、その映画館ではタバコも吸えるんだ!って夢の映画館を語る人もいるようで。そして「読み終わると、(映画を取り巻く)現場に哀愁を感じざるを得ない」って書いてる人もいて、中国の映画館事情も日本と似たようなものなのだろうか。タン・ウェイ(ラスト・コーションの主演女優)と、ジャ・ジャンクーがこの本に参加してると帯にあったので購入。
そしてもう一冊はこちら!エドワード・ヤンの追悼本。手に取った瞬間、買う!と決めたので、詳しく見たのは買った後。中国か台湾で出版された本だと思っていたら、フランスで出版された本の翻訳らしい。著者はJean Michel Frodon、カイエ・ドゥ・シネマの以前の編集長とのこと。
エドワード・ヤンの映画と人生についての長めの評論、映画1本ずつの解説、エドワード・ヤンが Le mondeや中国の新聞に寄稿したものの採録、ホウ・シャオシェンやジャ・ジャンクーの文章、オリヴィエ・アサイヤスの文章、最後は資料集で未完の遺作「追風」などの貴重な資料…。これは素晴らしい本なのでは!日本でも翻訳が出ないかなぁ。ジャ・ジャンクーの書いた文章の冒頭2行ぐらい読んだだけで、なんだか胸いっぱい。
さらに!ビニールカバーのために中身を見ることができなかったのだけど、開いてみると、ポストカードが挟まっていた。10枚ぐらいあるのかな。クーリンチェ、ヤンヤン撮影中のエドワード・ヤンの写真や、亡くなる間際に描いたというカンヌ映画祭の思い出の絵など。一瞬、これで誰かに北京から手紙を書こうかな?って思ったのだけど、これは永久保存版すぎる、使えない…。と思って大事にまた本に挟んだ。
博打気分で選んだのに、こんな2冊を引き当てるなんて、選球眼の正確さに我ながらうっとり。どちらもすみずみまで読む!