CINEMA STUDIO28

2015-10-17

ホームムービーの日 in 京橋

 
本日の映画たち。10月の第3土曜日は、国際的なイベント、Home movie day!毎年気になりながらも、毎年何かしらこの日は予定が入ってて無理だったのだけど、今年はフィルムセンターが会場で、朝11時からの回もあるとのことで初めて上映に参加。
 
 
詳細の説明はこちら。同じ日に世界のあちこちで同じイベントが開催されている。
 
 
会場はフィルムセンターの小ホール。地下のほう。受付で上映作品リストをいただくと、場内最前列近辺は招待席。そこで皆さん記念撮影されたり和気藹々。上映リストを眺めると3分〜のサイレントが多く、撮影は60年代〜80年代。主に東京で撮影されたもの。
 
 
主催の方からの説明があり、上映が始まる。完全サイレント状態で観るのかと思えば、主催者と撮影者、撮影者が亡くなっている場合、代理の方がいらしてて、質問とそれに答える形の会話形式で映像を説明していく。フィルムセンターのある京橋の町内会の方が中心となり映像を提供したようで、当時の京橋、銀座界隈が映ってるものが多かったな。お祭り、パレード、都電が営業を終える最終日の様子。
 
 
お祭りの映像を撮影者が説明しながら、「家内も映ってます」「16年前に亡くなったんですけど」と説明されて、ああ、これはただの記録映像ではなくて「ホームムービー」なのだな、とハッとしたり。通りの名前が今と変わっていたり、昔は都電、何番がどこまで行く経路か、すらすら覚えていたんだけどね、と説明があったり。
 
 
代々、家業の会社を営む人が、日課として社員と皇居一周を走っていて、大会をした日の映像は、皇居付近の景色、走ってる様子、順位、そして会社に戻った後の表彰式の様子。撮影者も映っていて、後から挨拶された現在の姿は、すっかり40年経った姿だったり。
 
 
楽しかったのは、神戸に赴任していた時期の子供の成長の様子を撮った映像。お正月、七五三、誕生日。徐々に女の子が成長していって、最後に挨拶された時、成長した(40代?)の娘さんも一緒にいらしてて。
 
 
映るたびに仮面ライダーのポーズを繰り返す男の子が映る映像も面白かった。映ってる歩けるようになったばかりの双子が、今はもう親になっていて、撮影者はお祖父ちゃんになってて、今日はその孫の運動会の応援に行ってるから会場に来てなくて、代理で身内の方が説明、挨拶されていた。
 
 
それから69年、アポロ11号の宇宙飛行士が3人来日して銀座でパレードした様子。単にパレードの様子だけでなく、その日の銀座の様子も前後に撮られており、映像も鮮やかで活き活きしていて驚く。撮影者はもう亡くなっていて、お孫さんが説明、挨拶されていた。「祖父は写真も撮る人だったのですが、いつも前に前に行って構える人でした」とのこと。本郷界隈にお住まいで、東大の学生運動の映像もばっちり撮っていたらしい。観てみたい。
 
 
それ以外に、アマチュアホームムービーにしては、編集も凝っててプロっぽいな…という、いかにも仕上がりを意識した映像のものは、観ていてあまり面白くなかった。そのような作為を感じる映像より、ラフな映像であっても少年の仮面ライダーポーズのほうがよほど面白い、ということが興味深い。ホームムービー、普通のことが普通に映ってるのが魅力なのだなぁ。ということを、初めて上映に参加してみて知った。
 
 
日本での活動は根津界隈にある団体がメインらしく、確かに夜は根津協会でも別プログラムで上映があったのよね。例によって10月第3土曜日の夜は予定が入ってしまっていてそちらは観られなかったのだけど。今回とても堪能したので、注意して来年以降はこの日は予定を空けておくようにしなくちゃ。