東京国際映画祭、月曜夜。六本木から離れて、新宿会場へ。去年も日本橋会場に行った日が1日だけあったのだけど、映画祭気分が希薄で寂しかった。なんとか新宿の素敵なところを見つけて自主的に気分を盛り上げてみていたところ、満月まであと一日の月が煌々としていた。
カメラの設定を変えて撮ったら、ブレッソン「白夜」のオープニングのような光の滲み
WALD9、というシネコンが苦手なのだけど、映画祭会場だからしかたなし。なんとか良いところを探して自主的に気分を盛り上げてみたところ、あ、隣が世界堂!銀座の伊東屋がセレクト文具屋(陳列はもったいぶって、商品量は少なめ)に変貌しちまった今、雑多に積まれるあらゆる商品から、好みのものを見つける楽しみは世界堂に担ってもらうしかない・・・
月曜夜、コンペティションから「ガールズ・ハウス」。イラン映画。毎年、東京国際映画祭のコンペでイラン映画を観ていて外れがないので。というより、面白くないイラン映画を観たことがないので、今年も楽しみにしていた。
結婚式前日に亡くなった花嫁の死の謎を、友人2人が追う。密室のような狭い半径の物語で、謎が徐々に深まり始める展開を確認すると、胃のきりきりするような感覚がおりてきて、ああ、イラン映画を観ているなぁ・・・という感慨に至る。そういったイラン映画の愉しみを備えながらも、この映画は過去に観た他のイラン映画よりも、観やすかった。だからと言って、表層的で深みに欠けるというわけではない。ということを、今は身体の中で転がしているところ。