小津安二郎記念・蓼科高原映画祭。「秋日和」はデジタルリマスターされたもので色が鮮明。この映画は特に赤が効いているように思う。続・百合ちゃん(百合子/岡田茉莉子)ファッション。
結婚する同僚の送別会と秋の行楽を兼ねんとする合理的アイディアで決行されたアウトドアの夜。ジャージ?っぽい素材のスポーティーなアウターを肩にかけてるのは、山登り帰りだから。一緒に行った男性陣と麻雀に興じる百合ちゃん。背後のポスターの赤。
原節子と言い争った司葉子が、場末(って東京のどこだろう?)にある百合ちゃんの実家にやってきた。実家は寿司屋!モヘアのニットの下に白いキャミソールが透けて。これ何気ないけど、小津映画で一番露出が高い衣装なのでは…。
百合ちゃん(実は苦労人)にたしなめられて、司葉子がプンスカ帰った後。寿司つまんできなさいって寿司桶を持ってきてもらったのに食べずに帰るなんて…もったいない…。ふーん。と窓に腰かけて一人、寿司を食べる百合ちゃん。面白いのは、この色合わせの上下で、ソックスが明るめの赤、ということ。衣装としては突飛な赤だけど、画面に映った時のセットとのバランスから赤不足を感じてソックスで追加したのかな。
3人のおじさま方のところに順番に直談判にやってきた百合ちゃん。おじさま方はみんな重役クラスということもあってか、普段よりフォーマルな装いが素晴らしい。このワンピース、モダーンで今あってもおかしくないし、着てみたい。そしてこの時代の小津映画の女性たちの装いのさっぱりしてるところが好き。アクセサリーはつけず、小さな時計のみ。何も入らなさそうな鞄。
司葉子のほうが洋服が綺麗に見えるようなモデル体型だけど、「秋日和」は司葉子より岡田茉莉子の衣装のほうが好きだな。活き活きしたキャラクターに似合ってるから、だろうか。