小津からすこし離れて。慣れない場所で遅めに仕事が終わり、予定をひとつ取り消し、目の前の通りから高田馬場までバスに乗って行けることを思い出したので、夜のバスに乗って早稲田松竹へ。
ベルイマン、できればなんとかして今週の4本全部観られたらいいな…と思っていたけど、あれこれ順調に進まないうちに1本だけになった。
「秋のソナタ」何度も見逃していたのだけど、これはあまり若い時に観ても辛いのではないか。観るべき最適のタイミングで観たということか。
いかに老いるかという問いに対して、イングリッド・バーグマンの晩年ほど見事な回答を他に知らない。私生活を彷彿とさせる役柄を引き受け、一秒も逃げずに過ごしたであろう人生の時間が正確に刻まれた顔をして、美しく見えたのは造形だけの理由ではない。
早稲田松竹で、金曜まで。