小津安二郎記念・蓼科高原映画祭。3本目は「繕い裁つ人」。映画祭は小津映画だけではなく、日本映画やベイマックスもプログラムされている。初めて行ったので、私は小津にちなんだスケジュールを組んだけど、そうじゃなければ「ソロモンの偽証」やらインディーズ映画も観られる。「秋日和」終了後の予定はどうしようかな…と思っていたのだけど、高原に向かうバスは本数が少なく時間が合わず、街にいるしかないけど特にやることもないので、流れでこの映画を観ることに。
「町の仕立て屋と常連客たちとの織りなす日々を描いた池辺葵の同名人気コミックを実写映画化」、舞台は神戸。中谷美紀さん演じる仕立て屋は、祖母の跡を継ぎ、頑固で変わり者という設定。仕立て以外のことは何もできず、煮詰まると喫茶店でチーズケーキを1ホール丸ごと食べてしまう、という役。
撮影も綺麗だし、洋服も素敵だし(私の好みではないけれど)、つまらなくはないのだけど、主人公が変わり始めて、ここから物語が展開するのかな…と思ったところで歌とエンドロールが流れてきたので驚いた。起承転結の転あたりだったと思うのだけど、転〜結はご自由に想像してください、歌でも聴きながら…ということなののかしら?生活系雑誌(…というの?)から抜け出してきたような設定のこういう映画、ほとんど観ることはないけど、ずいぶん前に観た「かもめ食堂」も、さぁここからだ!というところで終わってしまったし、私がしぶとくて空気を読んでないだけなのかしら…。
ということで、この映画についての感想は「ああ、チーズケーキ食べたいな」ということ。
映画より上映後の三島有紀子監督(すごい名前…と思ったら三島由紀夫にちなんでつけられた本名らしい)と、助演の片桐はいりさんのトークのほうが記憶に残ってる。
小津安二郎記念ということで、小津映画に因んだトークも若干あり、監督が円覚寺の小津家のお墓に行った後、お寺の裏手からかつて小津家があった場所まで抜け道のような小道があるけれど立ち入り禁止らしく、そしらぬふりをして歩いてみて、誰かに咎められたら「迷い込んでしまって…」と言い訳しようと思っていた、というエピソード。この間、北鎌倉で、小津家はどこにあったのかな…と思ってたのだけど、お寺の裏手なのね…ふむふむ…。
片桐はいりさんは小津監督の追っかけのようなこと、つまり全国の小津監督ゆかりの地を巡っているとのこと。私も湘南、蓼科…と巡って、次はどこかな…と思っていたので、そ、そこ詳しく!他にどこへ?!と前のめりになったのだけど、トークは次に流れ、片桐はいりさんが時々、キネカ大森でもぎりをしていることや、世界や日本のあちこちで映画館めぐりをしている、という興味深いお話に。気になりつつ著書を読んでいないのだけど、お話も面白かったことだしこれを機に読んでみようかな。
と、ほとんど映画の感想になっていない。初日は3本観終わると7時前、駅前にいたけどとにかく店じまいが早いので、目をつけていた蕎麦屋まで急いで向かい、無事に蕎麦とダイヤ菊を堪能。