大掃除で出てきた、古い映画のチラシを入れたファイルに、ロメールのものがあった。2010年、ユーロスペースでの追悼特集。アデュー・ロメール。
この時期ちょうど引越しと重なり、でもロメールも観たいのでGoogleカレンダーでスケジュールをテトリスみたいに隙間なく管理し、捨て作業→仕事→ロメール→見積り→ロメール→梱包→仕事→ロメール→引越し→ご近所挨拶→ロメール→荷解き→ロメール。みたいなスケジュールで、長編全作品をスクリーンで観る!という野望を達成した。執念とはこのこと。
「冬物語」を観たこともあり、久しぶりにロメール気分に浸っていたら、ロンドンのBFIで1月、大規模なロメール特集があるとのこと。東京の追悼特集では公開されなかったTVドキュメンタリーなど、レアなプログラムもある。羨ましい。東京にいるのにチケット「Buy」クリックしてしまいそう。
このロメール特集を記念し、イギリスの映画雑誌「Little White Lies」の記事は、ロメールBEST10。
「Perceval le Gallois」って「聖杯伝説」のことよね?こんなに上位だなんて!驚き!そして「緑の光線」は私はBEST10には入るけど、上位ではない。追悼特集の時も、「緑の光線」は際立って長蛇の列、女性客多しで、人気の高さと自分の好みとのズレに驚いたっけ。どの監督でもそうかもしれないけど、ロメール映画で何をBestに選ぶか、個人差がありそう。
Best10はゆっくり考えてみることにして、私のBest3は、先日観て書いた「冬物語」、それから、「レネットとミラベル 4つの冒険」。20歳そこそこの、性格も容姿も真逆の女の子が2人、田舎で出会ってパリで暮らす日常のちょっとした4つのエピソード。あまりにささやかな短篇集に「4つの冒険」というタイトルを与えるロメールがいい。ラスト1本は「モード家の一夜」かな。一度しか見られておらず、再見したいリストの筆頭に入り続けてるのだけど、なかなか上映されない。アルメンドロスによるモノクロが美しく、大人の男女の物語だった記憶があり、特に夜、「パスカルの賭け」についての会話が繰り広げられるあの場面、もう一度観たい。
再上映の機会を心待ちにしつつ、文京区図書館にあるDVDから、そのうち「海辺のポーリーヌ」を借りようかな。東京は寒くて、夏という季節があったことを忘れそうだから、映画を観て太陽で暖まりたい。