年末に借りたレコード、部屋にいる時間が長かったせいか、すっかり聴いた気になったので入れ替えるべく新たなレコードを予約。「スウィング・ホテル」を観た余韻から、アステアを借りてみようと検索。図書館に在庫が何タイトルかある場合、Googleに聞いてみるとどんなアルバムか教えてくれるのだろうけど、わからないままタイトルだけで借りてみるのも面白いかな。と、博打気分で選んでいるので、貸出カウンターで初めてジャケットを見ることになるのだけど、アステア「スターリング」、シルクハットにステッキ、アステアらしくて素敵!
さっそく聴いてみると、中身も素敵。「トップ・ハット」や「有頂天時代」などアステアの代表的ミュージカル映画の楽曲から、ガーシュウィン、アーヴィング・バーリン、ジェローム・カーンの歌曲を選りすぐって並べてある。歌いながら踊るアステアのステップも聴こえてきて、踊るアステアをまたスクリーンで観たくなる。
歌も軽さがあっていいなぁ。「スウィング・ホテル」でも、歌担当としてキャスティングされていたビング・クロスビーより、アステアの歌のほうが好きだった。解説に書かれていることには「ダンサーとしてあまりに偉大だったために、歌の方はやや過小評価されてきたことも事実だった。しかし、粋でソフィスケイトなアステアのボーカルはむしろ玄人筋に人気があった。こんにちジャズ・ボーカル界のスーパー・スターとされているメル・トーメは誰よりも好きな歌手としてアステアをあげているが、彼のボーカル・スタイルにはアステアの影響がいまもみえる。」
適当に借りたにもかかわらず大当たりだったので、己の選球眼にほくほくした気持ちになったけど、そもそも選択肢が少なくて、他の候補は「これがエンタテインメントだ おもしろ音楽大集合」か「永遠のMGMミュージカル オリジナルサントラ集」しかなかったのだった。「スターリング」一択するしかない。むしろこんなアルバムが欠損することなく区の在庫に生き残ってくれたことをおおいに喜ぶべき。
A面では「CHEEK TO CHEEK」(映画「トップ・ハット」)、B面では「LET'S CALL THE WHOLE THING OFF」(映画「踊らん哉」)が、今のところ好き。返却するまで何度も聴こう。