このあいだ前を通った時は、ぼんやりしてて写真を撮らなかったのだけど、あとで撮りに行った。最後の映画「6才のボクが、大人になるまで。」は観なかった。年末にシャンテで観たばかりだから。ニュートーキョービル閉鎖により、有楽座(TOHOシネマズ有楽座)は今日で閉館。
銀座・日比谷・有楽町エリアは家からメトロ1本であっという間に着き、狭い範囲に映画館がいくつもあって、映画の前後に本屋やデパート、食事もできるので、よほど他の街でしか観られない映画でもない限り、このエリアで観ることにしてる。観客層も落ち着いてて観やすい。
有楽座は他の映画館から流れていく映画も多く、先にそちらで観ていることばかりで、頻繁に行くことはなかったけど、好きな映画館だった。まず、このアメリカにありそうなサインがいい。それから、館内は壁も濃い赤のヴェルヴェットでちょっとゴージャス。東宝の会員制度も使えるし、何といっても映画館のサイズが好きだった。
もちろんどんな映画でも大スクリーンで観たいけど、すべての映画が割り当てられるはずもなく、私が観る映画は小さめスクリーンでかかることが多い。でもミニシアターってミニすぎてちょっと息が詰まる。布団部屋と呼ばれてる(私が呼んでる)シネマート新宿の小さいほうのスクリーンほどのミニ加減ではないにせよ(閉所恐怖症の人は辛いと思う)。贅沢は求めないけど、ミニすぎても辛い、の中間点にある最適解が有楽座だった。あれぐらいのサイズの映画館は他にもあるけど、内装、立地、帰りにエスカレーターで下りるとニュートーキョービルの飲食店がちらちら見えたりする景色も含めて、有楽座が好きだった。
記憶に残ってるのは、「おおかみこどもの雨と雪」を観たこと。逃し続けて、もう間に合わないかな・・と思っていたら、有楽座で観られた幸せ。もちろん映画自体の素晴らしさも。向かいの丸の内ピカデリーに「ジャンゴ」観に行ったら満席でびっくりしたら、その日はディカプリオの挨拶があったらしく、そりゃ無理よね。って気を取り直して有楽座で観た「ゼロ・ダーク・サーティー」も良かったな。
好きな映画館をよく聞かれるけど即答できず、映画館体験って、プログラム、スクリーンの大きさ、客席の埋まり具合、映画館の内装、駅からの距離、誰かと一緒に観たか、飲むコーヒーの味、その日の天気、気分、頭の冴え具合、情緒の安定度合、いろんな要素の偶然の結果だと思う。有楽座は振り返ると良い思い出が多かった、ということ。
背のあまり高くない私はなるべく前に座るので、最前列とスクリーンとの距離(これは早稲田松竹が最高かな)など、説明しづらいそういう要素が大事。個人差のある話なので、完全に参考にはならないけど、このブログの方、あちこちの映画館で、自分にとってのベストの座席を追究してらして、その姿勢に共感。そうか、こうやって記録しておけば予約するとき便利だね・・。
http://blog.livedoor.jp/tokyoeigakanbancho/
2014年、ずいぶんたくさんの映画館とサヨナラして、これ以上なくなったら映画生活にいよいよ差支える。と思ってたけど、2015年も、まだサヨナラがあるんだな。いよいよ差支えるわ。