CINEMA STUDIO28

2015-05-02

book hunting

 
 
京都で。タイミングが悪いのか、前を通るたびに閉店していて数年ぶりに三月書房に入った。いつか、この書店に緊張せずに入ることができるような大人になるのだ、と10代半ばの私は思ったけれど、いい大人になった今でも少し緊張する。本を選ぶ気分にも波というものはあって、背表紙を丹念にひとつひとつチェックして未知の領域に連れて行ってくれるような本をじっと探す時と、自分の思考がちょっと狭く閉じていてピンポイントで期待に応えてくれる本を探す時と。最近の気分は後者なので、三月書房といえどもピンポイントではそうそう見つからないな…と、手ぶらで出かけた時、ぎゅぎゅっと詰まった文庫の箱に「やさしい女 白夜」を見つける。映画の効果か、東京の書店をいくつまわっても見つからなくて、Amazonでも待ち状態だけどもうそちらで頼もうか、と思ったけれど、ドミニク・サンダの写真の帯がついたものが欲しい、と要求がピンポイントすぎてAmazonでは心許ない。嬉々として引き抜いてみたら帯つきだったけど、「やさしい女」ではなく「白夜」の帯なのだった…。何でもあっという間に手に入る昨今、1冊の本を探すのがこんなに難しいとは。
 
 
しかし、レジの前にあった絵本コーナーで、欲しいと思っていたけど出版社が倒産し手に入りにくくなった絵本をディスカウント価格で見つけた。そして「やさしい女 白夜」は希望のものを、京都の大型書店で無事に購入。何でもタイミング、ということなのかもしれない。