CINEMA STUDIO28

2015-05-10

Travis Banton for Angel

 
 
ルビッチ特集、いよいよ最終ラウンドに入り、また観たいと思っていた「天使」を観た。主演ディートリッヒ、衣装トラヴィス・バントン、監督ルビッチの三つ巴…。贅沢。「天使」の衣装、10kg以上の重さのものがあるって何かで読んだのだけど、オペラを観に行くシーンで着ている、ビジューが山ほどついたこれだと思う。
 
 
 
モノクロなので映画では色はわからないのだけど、実物はこんな色なのだとか。シルバーがかったドレスにファーは黒かと思ってたけど、目がモノクロに慣れてしまったせいかな。
 
 
「天使」の写真を探してたら、こんな1枚が。書籍「ルビッチ・タッチ」に収録された「さまざまなルビッチ賛」に、ジャック・ベニーが演出法について寄せたコメント、
 
「彼は映画界最高の監督であっただけでなく、とりわけ仕事のしやすい監督でもあった。というのも、いつもまず率先してシーンを演じてくれたからだ。それさえ見ていれば、どうすればいいか一目瞭然だった。」
 
 
というのを読んでいたのだけど、夫婦の仲睦まじさを表現するこのシーン、ディートリッヒにこうやって頬ずりするのだよ。って、率先して演じて見せてるわけね…。
 
 
 
という演出法を知らずにこの写真を見ると、酒に酔ったルビッチがディートリッヒに絡み、ハーバート・マーシャル(手前の背中)が呆れてそれを見ている。という図に見えなくもない…。
 
 
「天使」素晴らしかった。私の今のところのルビッチ・ベストはもしかすると「天使」かもしれない。