ところで最近、ホン・サンス監督はどうしているのかしら…去年は一気に3本も、日本で新作が公開された充実っぷりだったけれど。と、漠然と考えていたら、スイス・ロカルノ映画祭でグランプリ受賞のニュース。
映画のあらすじをチェックすると、
映画監督が地方都市にやってきて、そこで女性と知り合うけど、監督が既婚者だとわかり…って、いつもながらのホン・サンスの物語だなぁ。
最近何本も観直してみて改めて考えたことには、登場人物のキャラクター…映画監督(既婚者多し)、映画学科の学生、現地で知り合う女性…舞台は地方都市で、映画監督が脚本を書くため、もしくは映画祭に招かれるなど撮影以外の仕事で滞在している…(が仕事の形跡はなく、恋愛と飲酒の場面ばかり)という設定がほぼ固定されているのは、一作ごとにホン・サンスが静かに挑戦している試みが、いかに作品に作用するかを確かめるためなのかな、と思う。素材を固定して、味付けや火の入れ方を微妙に変え、変えたことが出来上がりにどう影響するのかを淡々と試しているような。
ともあれ、新作の早々の日本上映を希望いたします。