ちょっと先の未来に楽しみをぽんぽん置いておく作戦、6月~8月の長きにわたって開催される若尾文子映画祭、ラインナップが発表され、圧倒されている・・。けっこう観てるつもりだったけど、まだまだ白帯だったのだな。こんな大量の映画が並んでも、若尾文子フィルモグラフィのまだ一部という事実にまた驚く。働き者!
あ、と思ったのが「雁」。「雁」の映画化は、高峰秀子主演の1回のみだと思っていたけど、若尾文子版もあったとは。これまでの人生で読んだあらゆる小説の中で、一番好きかもしれないのが鴎外「雁」なので、映画版も観てみたいと思いつつ、これまで一度も機会がない。好きな小説だけに抵抗があるのか、ヒロイン・お玉、高峰秀子のイメージじゃない。儚さが足りぬ。そして妄想してみるに、若尾文子のイメージでもない。でもどちらも演技の確かな女優さんだから、きっと映画は映画で見どころがあるのだろう。
長い間、再読していないので、とても好みの小説だった。という以外に記憶が薄いのだけど、自分の好きな映画の傾向を考えていて、人生がささやかなタイミングの積み重ねでできており、タイミングによって結末が大きく左右されることを描くような物語、女の自立を描く物語を好きだと思うことが多く、ふと考えてみると、「雁」には、どちらの要素もあるではないか。最初に読んだのは高校の時だったけど、人の好みって大きく変わらないのだな。
女の自立もので私が一番好きな映画「女は二度生まれる」も若尾文子主演だったことを考えると、文子さまであれば、「雁」のお玉もまた魅力的なのかもしれない。
これは観たい・・・!けど、平日の昼間なのよね・・。休むのが難しそうな時期だけど、なんとか頑張ってみるか・・。