いるかいないか曖昧にされているもの、ツチノコや河童など、らしきものをひょっと目撃してしまった人は、しばらくずっと「ツチノコ」とか入力して画像検索したりウィキペディアで調べたりするんじゃないか。と、濱口監督の映画を観た後しばらくは、あれは何だったのだろうか…と「濱口竜介 インタビュー」など打ち込んで、何かしら手がかりを探し回ったりするのじゃないかしら、私みたいに。
エドワード・ヤン「恋愛時代(原題:獨立時代)」を観て以来、あのような都市に暮らす男女の恋愛の絡む群像劇に、現代の日本映画で出会えないものだろうか、と無意識に探し続けていたように思うけど、夜中に「PASSION」を観ながら、今まさに目撃しているこれこそ、探していたそれであると気づくと呆然とした。「PASSION」がどんな映画か何も調べなかったし、調べてもあんな映画だとはどこにも書いてなかったのだろうけど、実に20年以上出会えなかったものに、不意に出くわして頭がぼうっとした。2008年に撮られていたのに、8年も見逃していた。
簡単にはかなわないだろうけど、今すぐにでも2度目を観たい。読み応えのあるインタビューはこちら。