「天使」にも出ているルビッチ俳優、ハーバート・マーシャルが好きなのだけど、「天使」はしかしディートリッヒの映画だな、と思う。ディートリッヒはあの映画あまり好きじゃなくて、ルビッチのこと「あのベルリン野郎!」って言ったとか言わないとか何かで読んだけど、何が気に食わなかったのかしら。ベルリン野郎!ってなかなかパンチ効いてる。
ディートリッヒといえば、衣装:トラヴィス・バントンの威力たるや、とスタッフのクレジットにトラヴィス・バントンの名前を探す。ハリウッドに招かれる前、ベルリン時代のディートリッヒの写真を見て、え!と思ったのだけど、
え!別人!海辺で連れているのはディートリッヒの娘とのこと。このディートリッヒが、
こう化けるのだから、女性の美の潜在能力とは。そしてハリウッド・マジックって…と言葉を失わずにいられない。
日本人好みのカワイイ要素皆無のヨーロッパの香り漂う大人の女のイメージゆえか、ディートリッヒの美しさについて触れられてるのをあまり読んだことがない気がする。私がその魅力に開眼したのは、「情婦」をスクリーンで観た時で、その後調べてみると、当時ディートリッヒは50代後半だった事実を知ってから。ずんぐりしたベルリンのママがゴージャスな女優に変身した後は、若作りするでもなく、しかしパブリックイメージを保ちつつ年齢相応の迫力を増していた「情婦」のディートリッヒ、記憶が薄れてるから、久しぶりに観たいな。