明日から1週間、愛鳥週間なんだそう。何故、唐突にそんなことを思い出したか考えてみると、GW初日に部屋の紙モノ整理していて、はらっと本棚の下の隙間に落ちた手紙を数日放置していた罪悪感からかしら。友達から届いたらペンギンのフォルムのカード。ファンシー度が微塵もなく目つき鋭め、立体的で自立もする凝った異国製のカード。拾ってファイリングした。間もなく愛鳥週間だからね。
そして、借りていたこちらの本を、連休明けのぼんやりした頭で、朝の通勤電車で読む。主人公が迷い込んだ四次元空間は鳥しかいない場所だった。
伝票がどうとか、というセリフもあって、経理っぽい仕事をしてる女性なのだけど1人オフィスでカタカタ残業中、ふと、なにもかも忘れてゆっくり休みたい…と妄想すると、黒い鳥がやってきて「その願望、実現させてみませんか」と誘う。最後まで読むと、幼くして別れた友達の「未来で待ってる」ならぬ「四次元で待ってる」という物語で、狐に…いや、鳥につままれた気分で筋書きを追いつつしんみり切なくなった。
「給水塔占い」が途中に登場し、それは何?と思っていたら、作者のフジモトマサルさんのサイトにあった。私は好奇心旺盛で、細かなことを観察する能力にたけている「堅牢ドーム型」だった。当たってる気がする…。
そしてそして。鳥で思い出すのは断然ヒッチコック「鳥」!ヒッチコックの中でもとりわけ好きなのは、鳥をたくさん観られるから…ではなく、ティッピ・ヘドレンが美しいから。私の中でベストオブヒッチコックビューティーはティッピ・ヘドレンである。
そんな美しいティッピ・ヘドレンが凶暴化する鳥に痛めつけられるわけだけども、ヒッチコックはティッピ・ヘドレンにご執心で、迫ったけども断られ、腹いせに…フェイクの鳥で撮影すると嘘をつき、本物の鳥を使ってティッピ・ヘドレンを襲撃させたという撮影秘話を耳にしたことが…。どのカットがそれかわからないけど、どこかに本気で怖がるティッピ・ヘドレンが含まれている映画。それにしてもセクハラ、パワハラに抵抗するとまさかのバードハラスメントを受ける恐怖の職場。ヒッチコックに執着される美人女優たち、本当にお疲れ様でした…。
愛鳥週間って何をすればいいの、と思えば、野鳥保護思想普及のために設けられた週間とのこと。私は部屋にたくさんいる、黒と白の飛べない鳥たちに普段より優しくしようと思う。