CINEMA STUDIO28

2016-05-06

Sarah Moon

 
 
京都で開催されている写真のイベントKYOTOGRAPHIE、毎年うまくタイミングが合って、移動途中に観られる範囲でひとつふたつ選んで観るのが楽しみ。美術館やギャラリーで観られるものでは写真が一番好き。現実が写ってるからかな。映画もそうだけど。
 
 
何必館にサラ・ムーンのあらかじめ定められたお似合い度はもはや「夜空に星」の領域で。地下一階の魯山人コレクションも続けて観た。祇園のギャラリーらしく、和のしつらえがあちこちに。
 
 
 
 
4階だったか、の奥にあった映画館を撮った、その名も「THE CINEMA」という1枚、1995年。サラ・ムーンであれば、華奢で少し朽ちかけている小さな映画館が似合いそうなものを、意外なことに野外上映会場を写したものだった。スクリーンの左右に絵が描かれていて、簡素なパイプ椅子が並び、人間は誰もいない。どこかにそんな場所があったのだろうけど、この世のものとは想像し難い風景で、都市の外れだったとしても地の果ての香りがした。あのスクリーンなら何の映画が似合うかな…と、ビジュアルをあれこれ脳内合成。